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救世の巫女  作者: うみ。
第1章 別れ、転移、そして出会い
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孤児院の暮らし

本日2話目になります!

孤児院の朝は早い。


まず顔を洗ったり歯を磨いたりと自分の身支度を済ませたあと、結局のところ毎日一緒に寝ているサリアちゃんを始めとした子供たちを起こし、身支度をさせることに始まり、ルーナが買い物から帰ってきたら、シスターが朝ごはんを作る手伝いをする。


そして午前中は年少の子供たちと一緒にシスターに共通語を教わる。


孤児院で生活し始めてはや1ヶ月程が経過し、共通語も読み書きはまだ少し難しいが、日常会話程度なら何とかなるくらいにはなった。


驚いたことに1週間という概念はないが、1月の長さはこの世界もだいたい同じであるらしい。


普通なら1ヶ月で言語の習得なんて出来ないだろうが、人間必要に駆られると案外なんでも出来るものなんだと思い知った。


勉強していくにつれ、共通語は俺の世界で言うところの英語に似た言語だということがわかったことも大きいが。



昼食を食べたあとは孤児院の庭で栽培している草花をブーケやら髪飾りやらに加工して、数人の子供たちと市場へ売りに行く。


ここで得た売り上げは子供たちのお小遣いになるので、みんな必死で買ってもらおうと道行く人に声をかける。


シスター曰くこうした経験は孤児院を卒業したあと大いに役立つのだという。


確かに商売の基礎である他人とのコミュニケーションやお金のやり取りを通じての算術の実践など、今後役に立ちそうな要素が沢山あり、よく考えられていると感心したものだ。


そうした建前がある手前、俺は大抵見守るだけ、つまるところ暇なのだ。


子供たちだけでは対処しきれないなにかが起きた時のためにいるのだが、実際なにか起きても俺に対処しきれる事態は限りなく少ないだろう。


置物もいい所だ。



市場に行っていない子供たちは孤児院で遊んだりお昼寝したりして過ごしているらしい。


まぁ、その辺は普通の保育園と変わらないのだろう。


ルーナはそちらの方にいることが多く、小さい子達からの信頼は厚いようだ。


言葉が通じ始めてからは俺も子供たちと少しは仲良くなる事が出来た気がしてるが、サリアちゃんのおかげで大抵の子からは呼び捨てにされる。


ルーナはルーナお姉ちゃんなのに対し、俺はナギ、とそのままだ。


別に呼び方なんてどうでもいいのだが、俺が18歳であることを伝えた時にはみんな一瞬の間敬語になったのは少し面白かった。


すぐに戻ったが。


この世界では18歳というのはもう十分な大人らしい。



夕方になると店を片付け孤児院へと戻る。


収入は大体は1日1オラ程度で、最近知ったのだが、オラが円だとすると、銭にあたるカラという単位が存在し、100カラで1オラだそうだ。


その収入は一旦シスターに預けられ、そこから月に1度年齢別にお小遣いとして子供たちに再分配される。


年齢が高くなるほどお小遣いは多くなり、最年長の12歳であるコルツは1日あたり10カラ、毎月に3オラのお小遣いだった。


もちろん売上によって多少上下するらしいが。



夜はサリアちゃんが俺の部屋に来て一緒に寝る。


たまにルーナや他の子も俺の部屋に遊びに来てコイントスゲームで遊んだりもするが、サリアちゃんは毎日だ。


サリアちゃん曰く俺をお婿さんにしてくれるそうだ。


子供らしいそんな言葉に俺は思わず笑ってしまったが、ルーナは本気で驚いて慌てていた。


それを見て俺もサリアちゃんも笑う。



そんな毎日を過ごし、すっかり慣らされてしまった感じがあるが、あくまでも俺にはやらなければならないことがある事も忘れていない。


加護についてや、この世界の日本、イチノミヤ(やっと発音できるようになった)について、ずっと聞きそびれていたが、さすがにこれ以上のんびりもしていられない。


当初の最大の目的である言葉もある程度習得した事だし、シスターにこれらのことを聞いたらそろそろこの孤児院ともお別れしないといけないだろう。



……ルーナともここでお別れだ…。

読んでいただきありがとうございました!

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