孤児院の子供たち
お待たせしました。更新再開です!
サリアちゃんに手を引かれ広間へと足を踏み入れる。
学校の教室を3つくらいぶち抜いたくらいの大広間に5~12歳くらいの男女が10人ちょっと、姦しく遊んでいた。
俺とルーナが部屋に入った途端視線が一気に集まる。
反応はまちまちだったが、大体は急に現れた謎のてるてる坊主に興味津々と言った感じだった。
1人を除いて。
そんな子供たちの中で、ただ1人俺たちを見た瞬間の反応が異なる子がいた。
7歳くらいの女の子だ。
反応が異なると言うよりは反応がなかった。
女の子のそんな反応とは逆に、俺はその子に目を奪われた。
彼女は―
「ナギ!どうしたのー?」
「……!あ、あぁ、なんでもないよ」
サリアちゃんに強く手を握られ、意識を無理やりそちらに持っていかれた。
「みんなー!お客さんだよ!!」
サリアちゃんがそう叫ぶと、俺とルーナの周りに一斉に子供たちが集まる。
子供たちは各々自由に何か言っているが、残念ながら俺にはわからない。
頼みの綱のルーナも囲まれてしまって戸惑っているようで、通訳を頼める状態じゃないようだった。
不意に、ルーナを取り囲む子のうちの1人がルーナの外套のフードを脱がした。
「「あっ!」」
俺とルーナ、どちらも同じように声を上げた。
脳裏にはギルドでの出来事が浮かぶ。
「うわぁー!お姉ちゃん、獣人族なんだね!!」
「かわいいかわいい!!」
「お耳触らしてー!」
あ、あれ?
思ってた反応と違う…?
子供たちはルーナを見ても、ギルドの奴らのような反応はせずに、普通に接している。
日本人だとバレても平気なようだ。
「えっと…ルーナ?」
「あ、あの!わ、私、嘘はついてませんよ!?」
「んー、世代の問題なのかなぁ?」
ルーナから聞いた話では、日本人が嫌われるのは過去の因縁による所が大きいとのことだった。
そういった確執が子供たちの世代では薄れているのか…?
「まぁ、いっか。大丈夫そうならこのめちゃくちゃ暑いやつ、着てなくても済むしね」
そんな言い訳じみたことを何となく呟いてみたが、実際は、ルーナの姿を見た子供たちの、お前はどうなんだと言わんばかりの視線に耐えられなかっただけだ。
…外套が暑いのも本当だが。
「えぇー!ナギって女の子だったのー!?」
「いや…。違うよサリアちゃん…男だよ…」
「あはははっ!ナギ、女の子みたーい!」
子供の無邪気な言葉は刺さるなぁ…。
ルーナと違って普通の人間である俺は他の子達からしたら特に珍しいものでもなかったらしく、みな一様に少しガッカリした表情をした。
悪かったな…耳なくて。
その後、夕食が出来上がるまでは、ずっと質問攻めだった。
…らしい。
子供たちはみんなルーナに興味津々らしく、そちらに行ってしまった。
それに、サリアちゃんがずっとベッタリとくっついていて、たまに俺に近づく子がいても威嚇するので余計だ。
このくらいの歳ならそれも可愛いけどね…。
サリアちゃんは独占欲の強いタイプらしい。
サリアちゃんのような女の子にされるならそういうのも悪くないが、如何せんルーナの視線が刺さる刺さる。
ルーナの方は最初は戸惑っていたが、程なくして馴れたようで、何人かの子供たちとジェスチャーゲームのような遊びに興じていた。
手で耳をつくりぴょんぴょん跳ねて、うさぎの真似(?)をするルーナと目が合って少し気まずくなったのはご愛嬌だ。
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