情けは人の為ならず
区切りの関係で短いですが、ご容赦ください。
「なるほど。それはそれはサリアがご迷惑をおかけしました」
シスターはとても滑らかで自然な動作で深々と俺達に頭を下げた。
「いいんですよ、放っておくわけにもいきませんでしたし」
「まぁ!なんという素晴らしい施しの精神でしょう!!リスティア様もお喜びになられますわ」
「は、ははは…」
リスティア教徒じゃないとは言い出しづらい…。
シスター―シスターシャーロットはこの教会に勤めて30年の大ベテランだそうだ。
詳しい年齢はわからないが、見た目だけでいえばどれだけ高く見積っても20代後半くらいにしか見えない。
少し昔に流行ってた美魔女とかいうやつかな?
……いや、ちょっと違うか…。
そんなどうでもいいことを考えつつ、シスターとルーナが話しているのを、サリアちゃんと遊びながら眺める。
俺とシスターではルーナを介さないといけないため、会話のテンポが悪く、初めに会話したっきり後はルーナに任せきりだ。
サリアちゃんはコイントスゲームがいたく気に入ったらしく、しきりにやってくれとせがんでくる。
今は勝ち負けはどうでもいいので普通に投げて普通に取っているため、勝ったり負けたり、勝率はとんとんと言ったところだろう。
さっき少し魔が差して5連続で勝ってみたりしたが、サリアちゃんが涙目になっているのを見た瞬間にやめた。
「ナギさん」
「おっ、話は済んだ?」
「はい。シスターがサリアちゃんを助けてくれたお礼に夕飯をと。あと今夜は泊まってくださいとのことでした」
「おぉ!そりゃありがたいね」
情けは人の為ならずってわけか。
所持金の乏しい俺らにとっては願っても無い申し出だった。
「ナギ、教会に泊まるのー?」
「あぁ、今日だけお世話になるよ」
「やったぁ!!サリア、ナギと一緒に寝るー!!」
「あ、あははは…。それは光栄だなぁ…」
まさかの2夜連続女の子と寝ることになってしまうのだろうか。
まぁ、さすがにシスターが許さないだろう。
……許さないよね?
俺とルーナはシスターに連れられ教会の中へ入る。
教会では慈善事業の一環として孤児院を運営しているそうだ。
シスターシャーロットはその院長を任されているらしい。
教会の裏手から入り、孤児院として使用している講堂へと向かう間、サリアちゃんには抱っこをせがまれて、してあげたまでは良かった。
しかし、最初はサリアちゃんの体重が思ったより軽かったので余裕だったのが、だんだん腕が疲れてきて今はもうめちゃくちゃ重くて、落とさないように必死だ。
その上何故かルーナが少しむくれているような…?
いよいよ俺の腕も限界を迎えそうだったその時、シスターが立ち止まりこちらを向いて言う。
「さぁ、到着しましたわ。私は夕餉の準備をしてまいりますので、中で子供たちとお待ちください」
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