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救世の巫女  作者: うみ。
第1章 別れ、転移、そして出会い
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報酬

遅れて申し訳ないです…

行きと同じ道を通り、街に帰って来た。


もっと時間がかかるものかと思っていたが、まだまだ日は高いままだ。


それもルーナのおかげだろう。


門は相変わらず素通りでき、そのまま冒険者ギルドのある区画へ向かう。


あんまり行きたくはないのだが、依頼達成の報告をして、報酬を受け取るにはギルドに行かざるを得ない。



「ナギさん、不安ですか?」


「んー、そうだね…。正体バレちゃってるし、赤髪の時みたいなことにならなきゃいいけど」


「大丈夫ですよ!ギルド内ならマスターの睨みがきいていますし、それに、たとえ何があっても私がナギさんを護ります!!」


「そっか、ありがとね」



そういえばギルドマスター…日本語の話せる大男。彼のおかげで先刻は一応事なきを得ているのだ。


彼の立場上、俺のような一冒険者ではなかなかお目にかかるのは難しいだろうが、いつか話を聞いてみたいものだ。



そうこうしているうちに、ギルドのある区画までたどり着いた。


つい数時間前に見たばかりの光景だが、その大きさ、活気に驚かされる。



「ナギさん、行きましょう!」



ルーナはまた俺の手をとり、引っ張るが、今度は無理やりというよりは、促すかのような引っ張り方だ。


16歳の女の子に気を遣わせ、あまつさえ護ってもらうというのは、とても情けないが、そんなことも言っていられない。


思えば日本にいた時も別に情けない奴だった気がするので、根本的には変わっていないのかもしれない。



ルーナと手を繋ぎながら(なぜ繋ぎっぱなしなのかはつっこめなかった)ギルドの中へとはいる。


意外なことに、またもや出現したてるてる坊主2人組に、一瞬静かになるが、すぐに興味をなくしたかのようにそれぞれの会話や作業に戻っていった。


そのままカウンターへ行き、ボロ布に包まれた薬草を受付嬢に手渡す。


受付嬢は眼鏡をかけたキャリアウーマンといった風貌で、何となくだができる女と言った感じだ。


この世界にも眼鏡っ娘属性は存在するらしい。


相変わらず会話の内容は全くわからないのでこういう時は決まって手持ち無沙汰になってしまう。


ちょっとずつでもルーナに教えてもらおう。


ルーナと受付嬢のやり取りを何となく眺めていると後方から何やら視線を感じる。


ちらっと横目で確認すると、やはりというかなんと言うか、いつかの赤髪がこちらを睨みつけていた。


彼のギルド内での立場は知らないが、俺に絡んできた一件で、そんなつもりはなかったが、メンツを潰してしまったのは確かだろう。


ギルドマスターの注意があるにしろ、そりゃ睨まれもするか。


目が合って噛みつかれでもしたらたまらないので視線を戻す。


ちょうど換金が終わったようで、ルーナは報酬を受け取ると、再び当然のように俺の手をとり出口に向かった。


ルーナ程の美少女に手を取ってもらえるというのは役得と言わざるを得ないが…



ふぇぇ、冒険者さんたちの視線が痛いよぉ



……って感じだな…。




_______________________





「ル、ルーナさん?もうそろそろ手を離して頂いてもよろしいですか…?」


「あ、あぅ!すみません!!」


「ありがとね」


「い、いえ…」



彼女なりに精一杯俺を護ってくれていたのだろう。


ありがたい事だ。



「ルーナ、依頼の報酬ってどんくらい貰えたの?」


「20オラくらいですね」


「20オラ…」



わからん…。


ワクワクっすぞ!の方しか知らない。


……もしくはスペイン語の挨拶。



そもそも物価も違うだろうし意味は無いんだろうが……円換算して欲しいな…。


生まれてこの方円しか使ったことないし。



「えっとー、昨日泊まった宿屋さんって何オラ?」


「5オラくらいでした」



最早意味もないだろうが、めちゃくちゃざっくりとした計算して、1泊だいたい5000円くらいだとして、1オラ1000円、つまり今日の稼ぎは約2万円くらい……って感じの計算がしっくりくるな。


…多分だけど。


自分の中ではそのくらいの気持ちで使うって指標にしよう。



「はい、どうぞ!」



ルーナは俺にオラを渡してくる。


オラは500円玉より少し大きいくらいの大きさの硬貨で見た目的には銅が使われているっぽかった。



「って…渡しすぎだよ!!」



硬貨は全部で20枚。


つまり全て渡してきたのだ。



「あぅ…。す、すみません…」


「あ、いやいや、ごめんごめん、つい」


「あ、あの…。普通は私のような者には、報酬はごくわずかしか渡されないので……」



ふとルーナの境遇を思い出す。


詳しく聞いてはいないが対等な扱いを受けていなかったことは確かだろう。


つまり、ルーナにとっては先程のような行為が一番自然なのだろう。



「ルーナ。君と俺は対等な関係で、あの男と違って俺はルーナのご主人様ってわけじゃないんだよ」


「あ、あぅ…!ナ、ナギさんがご主人様……」



あ、あれ…?


何故かルーナがトリップしてしまって、帰ってこない。



というか、確かに分配には困る…。


単純に半分ずつっていうのが手っ取り早い気もするが、自分の仕事量を思うとその提案はし難い。


ただでさえ服と昨日の宿代はルーナのお金なのだ。


うーん…


そうだ!唯一の特技の使い時が来たかもしれない!



「よし!じゃあ、こうしよう。報酬の分け方はちょっとしたゲームで決める!それで文句なしってことでどう?」

読んでいただきありがとうございました!

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