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救世の巫女  作者: うみ。
第1章 別れ、転移、そして出会い
20/45

加護

今日も2話投稿になります!2話目は17時投稿です!

俺とルーナは逃げ出すようにギルドを出たあと、街の門付近にあった広場で少し休憩をしていた。



「ナギさん……。ごめんなさい…。私のせいで………」


「ルーナのおかげであの赤髪に殴られずにすんだよ。ありがとう」


「いえっ…!でもっ!!」


「ルーナ。いいんだよ、ありがとう」


「……はい…」



ルーナは自分のせいで俺が危険な目にあったと自分を責めているようだ。


確かにそうと言えばそうなのだが、助けてもらったのもまた事実だ。


落ち込んでいるルーナはあまり見ていたいものではない。


フードの上からでも、耳がぺたっとなってしまっているのがわかる。


そんな姿を見せられては罪悪感が半端じゃない。


慰めるために浮かべた、俺のさぞかしぎこちないであろう笑みとは大違いで、彼女は笑顔が良く似合うのだから、なるべく笑顔でいてもらいたい。



「そ、そんなことよりさ、またルーナに色々聞きたいことがあるんだよね」


「……はい………なんでしょう…」



無理やり話題を変え、どうにか取り繕うが…



ありゃりゃ…これだいぶ引きずってんなぁ…。


本当に気にする事はない。というか、俺の力不足みたいなもんなんだけど、ルーナは真面目そうだし…。


どうするかなぁ…。



「あっ、あうっ…!?ナギさん!?!?」


「ルーナ、もう1回言うよ?ルーナのおかげで助かったんだ。ありがとう。そもそも自分の身は自分で守るべきなんだ。ルーナが気にすることじゃない。だからほら、元気出して依頼こなそう!」



花壇の縁に腰掛けていたルーナに、腰を落として視線の高さを合わせ、真っ直ぐに目を見つめながら話しかけ、そっと頭を撫でた。


と言ってもフードの上からだが。


しかし、この歳にもなってこんなことするのは死ぬほど恥ずかしい限りだが、(とき)を慰める時、俺はいつもこうしていた。


これ以外の上手い方法は思いつかない。



「あぅ……。ナギさん…。も、もう大丈夫なので…」


「あっ、ごめんごめん」



ぱっと手を離す。


ルーナの顔は真っ赤になっているが、ちょっとは元気になってくれたみたいで、安心した。



「あ、あの…!」


「ん?」


「ありがとうございます!!」



やっぱり、ルーナは笑顔(こっち)の方がいい。



「それで、ルーナ。さっきの聞きたいことなんだけど」


「はい!私にわかることならなんでも!!」


「まぁ、色々あるんだけど…。まずはなんで俺があそこまであの赤髪を怒らせたのかってことかな。ってか、赤髪は特に顕著だったけど、あいつだけじゃなくて、ギルド内にいた全員が俺を見て、敵意剥き出しにしてきたのは何で?」


「えっ…?」


「んっ…?」



そんなつもりはなかったが、何かおかしな事を尋ねたのだろう。


ルーナが不思議そうな表情で固まる。



「え、えっとー、なんか俺変なこと言った…?」


「あっ……い、いえ…。ギルドの人達があんな反応をしていたのは、ナギさんを*****人だと勘違いしたからだと思います」


「*****人だと、なんか問題があるんだ?」


「はい…。*****人は他の地域ほとんどの人からよく思われていません。詳しくは知らないのですが、過去に相当な因縁があったそうです。そして、前にもお話しましたが、*****人の1番の特徴と言えば、私やナギさんのような黒い髪に黒い瞳。ですから私たちはこうして外套で身を隠しているわけです」


「あ、あれ?外套で姿隠してる理由ってそれだったの?」


「もちろん、レイブ様に見つからないようにっていうのもありますが、何より、もし私たちがそのまま歩いていたらトラブルを避けられませんから」



そうだったのか…。


姿を隠さなきゃいけない理由を大きく勘違いしていたようだ。


ルーナが先程のような顔をするのも納得である。


ルーナは俺はこの世界の日本出身だと思っているだろう。


そんな俺が先程の様なことを聞けば、そりゃあんな顔もしたくなる。


別にルーナに対しては俺が他の世界から来たってことを言ってもいい気もするが、何となくタイミングがない。



バレバレな気もするけど…。



「な、なるほど、そっか。これからはもっと気をつけないとね、俺ならまだしも、ルーナが危ない目に遭うのは嫌だから」


「あぅ……。ナギさん、そういう事を急に言うのはずるいです…!」


「あっ…いや……。そんなつもりじゃなかったんだけど…」



恥ずかしがらせるつもりはなかったが、つい口が滑った。



どちらかといえば俺の方が恥ずかしいよ…。




「あ、あともう1つ聞きたいんだけど、あの赤髪、、えっと、アンクって呼ばれてたっけ。あいつ、加護とか何とか言ってたよね?それって何?」


「……ご存知ない…のですか?」



あっ…この反応…。


やっぱりこの()()というものもこの世界の一般常識らしい。


そして俺の予想ではこの加護こそが、これからの俺の命運を握っていると思われる。


だから何としても聞いておきたい。



「……加護…。改めて何かと言われると、私では上手く説明出来ないのですが…。例えば、ナギさんに殴りかかってきたあの男、殴りかかってきたその瞬間、空中で加速したのがわかりましたか?」


「見えたよ、なんとなくだけど…」


「恐らくはあれがあの男の加護ということになります。…えっと、つまり……」


「一人一人に加護があって、その加護によって出来ることが違う。そんな感じ?」


「は、はいっ!そうです!まさにそんな感じです!!」



思った通りだ。


前にルーナに聞いた時、レベルやスキル、魔法といった概念がないと言っていたが、俺の聞き方が悪かった。


詳しいことはわかってないので断定は出来ないが、加護はこの世界における、特殊能力、スキル、そんな理解でよさそうだ。



「加護はみんな持ってるものなの?」


「もちろんです。加護は世界教の唯一神リスティア様からこの地の生きとし生けるもの全てに授けられるものだそうです」


「生きとし生けるもの全て?動物とか、植物とか、魔物とかも?」


「それら全てにも、何かしらの加護が与えられていると聞いたことはありますが、ごめんなさい…。詳しくは……」


「いや、大丈夫だよ。加護って例えばどんな事が出来たりするの?」


「そうですね……。一口に加護といっても、他の人より特定の道具の扱いがすこしだけ上手いとか、そういったものがほとんどです。しかし、上級冒険者の中には、火を操る、風を操る、水を操る、果てはそれらを創り出すといったようなことまで出来る人もいると聞いたことがあります。あと、全く同じ加護を持つという事は稀だとも聞いたことがありますね」


「ふむふむ、出来ることには結構幅があるわけね…」


「そうですね。私にわかることはそのくらいですけど、教会に行けばもっと詳しく教えてくださると思いますよ」


「あっ、そっか。加護は、えっと、リスティア様…?から授かるんだもんね」



幸いこの街の中心には、街の端っこであるここからでも見えるくらい立派な教会がある。


異世界人である俺がこの世界の神様から加護を授かれるのかはわからないが、そういった事の確認も含めて近いうちに行かなくてはならないだろう。


加護というものがある事がわかったおかげで、俺はこの世界で生きていくにはあまりにも力不足だということがより一層わかった。


今まではラッキーで何とかなってきたが、今後もそういくとは限らない。



…ってかいくわけないんだけど。


やっぱどう考えても、加護の獲得は俺がこの世界で生きていく絶対条件になる……か。

読んでいただきありがとうございました!

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