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救世の巫女  作者: うみ。
第1章 別れ、転移、そして出会い
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冒険者ギルド

「えっ、ルーナ心当たりあるの?」


「は、はい。すみません、早く言えばよかったですね」


「いやいや、全然大丈夫。で、それって何?」



街の広場のようになっている一角に腰掛け休憩しながらルーナの話を聞く。


道行く人の印象は昨日の夜に外から見た感じと変わりない。


ただ昨日は数人見かけた俺とルーナのような人は見当たらなかった。



ルーナは少し考え込んでいるようだ。


どうしたのかと尋ねると、その思い当たる職業に該当する日本語を考えているとの返答が返ってきた。



「***って言います。えっと、*****語では……冒険者…でしょうか?」


「あぁ………冒険者…ね…」



これはまたコテコテのお約束が出てきてちょっと微妙な反応になってしまった。


確かに思いついても良かったものかもしれない。



「あの、やっぱり、だめ…でしょうか?」


「いや…。もちろんだめってことはないんだけど……。ちょっとね」


「私たちが今すぐお金を手にするにはそれしか無いと思いますよ?」



その通りなんだろう。



冒険者



現代社会には存在しないと言ってもいい職業であるというのに、もはや説明不要の不思議な職業。


()()()()出典によって仕組みは多少違うが、ここでも大まかなものは変わらないだろう。



「冒険者って何するの?」



それでも一応尋ねてみる。



「冒険者は街の外にいる***を討伐したり、薬草を採取してきたり、街の中で困ってる人の依頼を受け、その依頼をこなし、そして、その難易度に応じた成功報酬を受け取ることで生計を立ててる人の事でしょうか」


「……なるほど…」



概ね知っているものと合致した。


…と言うかそのものだ。


やはりというかなんというか、この世界には魔物も存在するらしい。


普通なら喜び勇んで依頼を受けに行くところなのだろう。


お金を稼げるという点もそうだが、何よりその響き、冒険者という、響き。


非日常の代名詞とも言えるその職業に胸踊らないというのは嘘だろう。


かく言う俺も、ワクワクしない訳じゃない。


しない訳じゃないが…



「いや、ごちゃごちゃ考えてもしょうがないか…」



また(とき)の言葉が頭をよぎる。



…やるしかない……か…。



「ルーナ、冒険者にはどうやったらなれるの?」


「簡単ですよ!冒険者ギルドに行けば誰でもなれます!!」




あ…これも知ってるやつだな……。




_______________________




ルーナと街を回って、街はそれぞれ区画ごとにわけられていて、教会を中心に円形だということに今更気づいた。


イメージ的には6Pチーズみたいな形で区画がわけられている感じだ。


それぞれ住宅街だったり、商店だったり何かしら特化したものがあり、今俺とルーナがいるこの区画こそ、冒険者ギルドがある、つまりは冒険者達のための区画。


泊まった宿のある所に比べると明らかに雰囲気が違う。


見た目だけの話でいえば、石造りの家が殆どになったのと、道行く人々があからさまに()()()()()なった。


武器を帯びている人が殆どで、体格もいい。


俺の1.5倍くらいの背丈の奴ばかりだ。


そして温かみのある木造の家が多かったのに比べて、石造りの家は無骨な印象を受けるが、区画のイメージとしては合ってる。



なんか荒事があっても壊れにくそうだし…。



実際所々ボロボロになってるしね…。



来る前から抱いていた不安が現実味を帯びてきた。



「あっ!あれですよ!冒険者ギルド!!」


「おぉー!あれか!!」



ルーナが指さす先を見ると他の建物4つ分くらいの大きな建物がそびえ立っていた。


正面の玄関らしきところには赤を主軸に彩られ、中央に剣と盾のモチーフが入った大きな旗が掲げられている。


この街では教会の次に大きい建物らしい。


不安を忘れ思わず感嘆の声を上げる。



「早く行きましょう!!」


「おわっ!ちょっと待ってルーナ!!!」



ルーナは俺の手を引っ張りギルドに向かって駆け出す。



こういう所は歳相応って感じで可愛いな。



ルーナに見られないようにそっと微笑んだ。

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