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救世の巫女  作者: うみ。
第1章 別れ、転移、そして出会い
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イルスの街

本日2本目です。前回をまだ読んでない方はそちらからどうぞ!

ルーナに制服を渡した後、俺は街のすぐ近くにある茂みに身を潜めじっとしていた。


こんな格好でいる所を誰かに見られれば、俺が誰かに追われているとか関係なく不味いことになる。


ルーナがそのまま俺を置いてどこかへ行ってしまうというような心配はあまりしていないのだが、彼女は少し抜けているところがあるので、それだけが少し不安だ。


ただぼーっと待っているのも性にあわないので、街の外観を眺めてみたり、出入りする人々を観察してみたりした。


ルーナに少し聞いて、街の名前は相変わらず聞き取ることができなかったが、周辺知識は少しわかった。


街の周囲を2m位の塀が囲み、入口となる門がいくつか存在しているらしい。


ルーナが言うには夜になると門は閉まってしまうが、それでも入りたい人間は塀をよじ登って入ってしまうそうだ。


中々な防犯意識である。


あまり高い建物は無いようで、ちらほら屋根だけ見える家が何軒かある。しかし街の真ん中辺りに外からでも立派だとわかる教会のような建物が見えた。


あれがルーナの言っていた世界教の教会というので間違いないだろう。


この世界では信じられないことに世界全体で1つの宗教を信仰しているらしい。


まぁ、俺はそこまで宗教について詳しくないが、それでも世界的な大きい宗教を何個か知っている。それはつまり俺のいた地球という世界では、世界規模に大きい宗教が複数存在していたということになる。


なんか元を辿れば全部同じ神様だとかどうとかの話も聞いたことあるような気がするけど。


あまり真面目に勉強してこなかった分のつけがこんなとこに回ってこようとは…。



今は夕暮れ時で、家路を急ぐたくさんの人々が見えた。


大抵の人は金髪や赤髪、少し距離があったので目の色は見えなかったが、俺やルーナ、つまり日本人っぽい人はいなかった。


しかしフードを深く被って顔を隠している人は何人かいたので、俺たちのように正体を隠しているという可能性は捨てきれない。


ちなみに日本人は見つからなかったが、ルーナと同じような耳と尻尾がある、獣人と呼ばれる種族はちらほら居た。


大人から子供まで幅広い年齢層の人々が住んでいるようで、小さな街だと聞いていたが、外から見ただけでも活気ある街であるということがわかった。



ルーナが戻ってきたのは30分後、なぜ時間がわかったかというとスマホの時計を見といたからである。


今の時間はわからないが、計ることだけならできる。



「ナギさん、ナギさん、お待たせしました!」


「おかえり、ルーナ、上手くいった?」


「はい!」



褒めて褒めてと言わんばかりにしっぽが揺れている。


見た目は猫なのに少し犬っぽい。



「ありがとう、よく頑張ったね」


「私、ナギさんのお役に立てたでしょうか…?」


「…?もちろん。今回だけじゃなくて会ってからずっと助けて貰ってるよ」



ルーナが着替えているので背を向きながら会話する。


なので表情は見えないが、あぅ…。という声が聞こえたので恐らく顔は真っ赤なのだろう。



ルーナから制服を受け取り、俺も着替える。


そして買ってきてもらった外套を羽織り、フードを被った。


これはあまり聞きたくなかったことなのだが、外套は子供用の1番大きなサイズを買ってきたらしい。


その方が安いそうだが、少し複雑な心境である。



「よかった!サイズは大丈夫そうですね!」



なんて無邪気に言うルーナにさらに傷を抉られたが、気にしていない。


気にしていない。



ルーナも着替え終わったようだ。


客観的に見ると、てるてる坊主みたいな2人組で、余計怪しさ満点な気もする。


さっき見ていた感じ同じような格好の人を何人か見たので大丈夫だとは思うが。



「ルーナ、準備出来た?」


「あっ、はい!」


「よし、じゃあ行こうか」



門が閉まる時間にはギリギリ間に合ったようだ。


てるてる坊主2人組で門をくぐる。

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@umi_of_writer

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