すずかぜコミッション 1つの答え
「それと、私恙蒼葉と、茅野咲姫です」
「うわあすっげえ、本物の茅野咲姫だよ結ちゃん!」
「そうですね、顎の曲線が綺麗な2次関数を描いていてエロいです、赤根さん」
「2、2じかんすう?あ、ありがとう」
「では、始めましょう。今この現状をどう思いますか?」
「翠的には、今の状態は、そこまでわるくはないんじゃなかにゃーと思いますよ!」
「そ、そうですか」
「しかし、この街が汚れてしまうというのは悲しいことですわ」
「宮聖さんは、どうすればいいと思いますか?」
「そうですね、工場は他のところに預けてしまえばいいのではないのでしょうか、例えば北方諸島とか」
「…なるほど」
「あ、はいはい!」
「どうしましたか、赤根さん?」
「さっきのと被っちゃうんだけど、工場を一手にまとめてしまえばいいんじゃない?そうすれば環境破壊にもならないし!」
「…そうですか」
「萌黄さんは、どう思いますか…って寝てる?!」
「ごめんね、この子すぐ寝るんだ」
「そうですか、羽天さん。じゃあ、青村さんは…ってこちらも寝てる⁈」
「たぶん興味ないんだろうね」
「そうですかって納得はできませんけれど。じゃあ、いろはさんはどう思いますか?」
「え、私ですか⁈わ、私は…その、宮聖優奈さんの意見に賛成で、その上で赤根さんの意見も魅力的だと思います。やっぱり、この中だと誰かが発表してしまえば議論されないんですよね」
天才の結論は、皆同じになるということだ。
「じゃあ、最後に羽天さんはどう思いますか?」
「え、私?」
と言ったとたん、うちのクラスの子たちが一斉に顔をこちらへと向けた。それもそのはず、私は意見を言わないからだ。珍しいちゃんとばかりに視線が集まる。
「え、ええと、そうだな。これからは、工場だなんて非効率的なことなくなるだろうから、そこまで気にしなくてもいいんじゃないかな?実態が要らなくなる世界が始まると思うよ。たとえば、その辺の図鑑や辞書が要らなくなるとかさ」
「…でも、それは未来的なことであって、今現在の解決には」
「だから、それくらいは残しておいた方が良いってことよ。免疫っていうかさ。ある程度汚れていないと、すぐに風邪をひいてしまうからね」
「…じゃあ、現状維持ってことですか?」
「どちらでもいいよ。動かしてもいいし、このままでもいいと思う」
「おお!」
クラス7人の視線が熱くなるのを感じた。いやあ、久々に緊張した。
「さっすがです、神!」
「僥倖です、神!」
「論理さは少し疑いますが、さすがです神」
「さっすが~神!」
「さすがですわ、羽天様」
「さすがです、涼風先生!」
「神って呼ばれているんですか?」
「そうだよ、蒼葉ちゃん。私はこのG-1クラス担任の神様こと、涼風羽天なんだよ!」
「…へえ」
ちなみにGはジーニアスのGだ!
「そうですか、じゃあこの委員会は今日を持って解散とします」
「これ何の意味があったの?」
「さあ、でも一応やったということを示しておかないと。住民からの苦情ってそのままにするわけにもいかないんですよ。またお願いするかもしれませんが、その時は宜しくお願いします」
「分かったよ」
「行きますよ、先輩」
「ぁあ、ふつかよい~」
「もう、何言ってるんですか!」
「茅野咲姫さんでも二日酔いってするんですね」
「めっちゃきゃわいい!」
「あ、ありがとう。でも限界」
「ああ!ここではちょっと!」
数日後、三波ちゃんから連絡があった。
「工場の移転終了しましたよ。また賑やかになるので、神事のし甲斐がありますよ!久々に腕が鳴ります!」
「そうか、なら良かった」
「今度また遊びに来てくださいね」
「分かったよ」
でも、その前にこの子たちを学校にもどさなきゃいけないんだよねぇ。
抑制と育成。彼女たちには、少し辛い決断をさせてしまうことになりかねないけどね。




