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神怪だって、人間です!!  作者: サツマイモ
神怪・新章突入篇
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だいじんドリンキング・パーティ!

「かんぱーい!」

 蝉が鳴きわめき、太陽が「我こそが太陽なり」と言わんばかりに熱を放射するこの季節がついにやってきた。汗が全身から吹き出し、その汗でプールが出来そうだけど、そんなプールに入るくらいなら、私はプールで汗を流したい。


「ようやく3人でビアガーデンに来れましたね」

 気付いている人もだいぶいると思うのだが、一応自己紹介をすると、私は出陽国北方諸島担当大臣白金茉釣である!!!


「ここは、私のおごりだから、つつがな後輩も思う存分飲んでくれ!」

「ありがとうございます!」

 夏休みを大々的にとった私たちは、皆が上半期末の忙しい時期に、のうのうとビアガーデンにて白昼堂々、お酒を飲もうとしているのである。


 勿論、そのためにほぼ徹夜で仕事を終わらせて、残りは配分して(労働法に引っかからないくらいに)来たのだ。


「それにしても、白金さんはどうやって多くの仕事をこなしているんですか?うちの部署でも大騒ぎですよ、いつも仕事が早いって」

 恙蒼葉は、出陽国副環境大臣である!!!


「そうですよ、ぎゃくにそれがぷれっしゃあなんですから!」

 もうすでに酔い始めている彼女は、出陽国環境大臣、茅野咲姫である!!!


「さっきからなんですか、その異名を叫ぶときの感じは」

「ちょっと、心の声まで読まないでよ、つつがな後輩!」

「すみません、でもそのノリ絶妙にツボです」


 初めはこらえるようにくすくすと笑っていたつつがな後輩も、次第に腹を抱えて笑いだした。幸い、私たち以外はお客がいない、いわゆる貸切状態なので、聞いていたところでせいぜい店員くらいだ。


「…はあ、おなか痛い」

「腹痛を訴える彼女こそが、出陽国副環境大臣、恙蒼葉である!!!」

「きゃはははは!…ちょっと、やめてください。枝豆が、鼻に」

「汚いなあ、もう」

「白金さんの所為じゃないですかっ!」


「もう~しょうがないこなんだから~ほら、はなちーんして?」

「小さい子みたいに扱わないでください、先輩!」

「ちーんとちーさいで、掛けてきたのかな、後輩?」

「そんなわけないじゃないですか!稚拙すぎますよ!」

「ちーんとちーさいとちーせつでかけたのかな、こうはいちゃん?」

「違いますって!ちーかまみたいに言わないでください!」

「ちーかま?あ、メニューに書いてある!すいません、ちーかまください!」


「ああ、もう収集つかないですよ!」

「後輩ちゃん、収拾つかないの収拾は、集める方じゃなくて、拾う方ですよ」

「なんで指摘だけはちゃんと理性取り戻すんですか!」

「しょくぎょうびょうかなぁ」

「いつ何時でも、ちゃんと仕事のことを考えているだなんて、朗報じゃないか」

「確かにそうですけど…、もしかして拾う方と朗報を掛けたんじゃないですよね?」

「お、よく気付いたな後輩!」

「お、よく気付いたな後輩じゃないですよ!どれだけ私に突っ込ませるつもりですか、疲労困憊ですよ、もう」

「困憊の後輩は、そろそろ精神が荒廃しそうかな?」

「もう!いいですよ、こうなったら!」

「薮坂呼ぶ?」

「違いますよ!ビール飲むんです!!」

「そうだ、けっこうしゅごうなんだよね、こうはいちゃん」

「そうなの?酒豪という称号が得られたの?」

「酒豪なのかどうかは分かりませんけど、まあそれなりに飲めますよ。少なくとも、先輩よりは」

「なんだと~!」


 ぽかぽかと殴る彼女は、めちゃめちゃ可愛かった。


「確かに、この姿を見ると朝貢したくなるよね」

「狡猾ですよね、先輩」

「お、手厳しいね」

「ここだけの話、すぐ部下の男の子に仕事丸投げするんですよ」

「そうなの?」

「いえ、私は丸投げなどしておりません。きちんと仕事をしたうえで、最終確認や印刷作業等を依頼しているだけでございます。…その質問には答えることはできません」


 バタン

 一度体を反らせ、すぐに倒れこんだ。

「まさか、訴えられた時用の謝罪会見の夢を見ている?」

「さすがですね、用意周到です」

「うーん、そんなことにならないといいけれど」

 ことは無い方が良いからね。


「さておき、お腹空きましたね」

「ピザでも食べようか」

「良いですね」

 こんな毎日が続くと思うだけでも、やはりあの暴動は起こして良かったなと思うけどね。


「そういえば、あれから炎香ちゃんとか三波ちゃんとかはどうしてるんですか?」

「炎香は、島統治にてんやわんやだけれど、三波ちゃんとの連係プレーもあって今じゃ安泰だよ。それより、本都の方はどんな感じ?」

「最近、少しずつ工場が増えてきてるんです。北方諸島がなくなったことをきっかけにして。そのために、問題が少しずつ起きている状態ですかね」

「なるほど…じゃあ、羽天に相談した?」

「この休みが終わったらする予定です。何しろ、あそこには羽天さんに勝るとも劣らない精鋭たちが揃っていますからね」

「精霊たちかもしれないけどね」

「羽天さんと7人の小人ですか?」

「それは面白そうだな」


「でも、その前にちゃんと休みがとれてよかったです」

「私は明日まで取ったけど、君たちは今日だけなんだろう?」

「ええ、忙しいんですよ。いろいろと」

「そうか。じゃあ、今日はとことんのもう!」

「そうですね!」

 かしまし娘の宴は、一夜を越して、行われた。


「しらかねさん、いまなんじですか?」

「ええと、2時だね」

「…2時⁈」

「このまま直行でいいんじゃない?店員さんには許可取ったし。少し、お金とられたのは癪だけど」

 しょうがないよね。


「そうですか、じゃあおやすみなさい」

「うん、おやすみなさい」

「店員さん、ありがとうね」

「いつも住民の為に頑張ってもらっているんですから、これくらいは」


 ちゃんと働いてて良かった。

 おやすみ…


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