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神怪だって、人間です!!  作者: サツマイモ
少数派・現実編
81/140

まつりディスカッション 届け、私達の思い!

「えー、それでは、中間的に投票をしていただきたいと思います。賛成の方は赤いボタンを、反対の方は青いボタンを」

「よろしく、お願いします」

 集計結果は、賛成2票、反対24票ですか…


「では、引き続き議論をしたいと思います。クァイ様、どうぞ」

「ありがとう。白金様、もうすこし、気楽にやってもいいのではないでしょうか。あなたが言いたいように、言ってもらっても構いませんよ?そうでないと、我々も判断しかねますし」

 さすが、最古参のクァイ様。


「クァイ様、ありがとうございます」

「クァイ様も、優しすぎるんだよな」

 ビートンさんのそういう態度は、とても目に余ります。

「ビートン君」

「すみません、クァイ様」


「では、お言葉に甘えて、投票前に意見を述べさせてもらってもよろしいでしょうか」

「どうぞ、白金さん」

「あなた方は、自分たちの権利を謳うなら、まず島民の権利を守れとおっしゃいましたね?」

「ええ、言いましたけど?」


「だったら、あなた方の島民の命も、守りやがれってんだい!!」


 先ほどの縮こまった白金さんはどこへやら。

 そして、今までの威勢のいいビートンさん、エリトーゼさん、ファリアーノさんはどこへやら、冷や汗びっしょりでございますね。

「十六夜、白金さんが怒るところ初めて見ました!」


「そもそも、おめえらが迫害なんてことをするから、少数派の人たちが追いやられて、泣く泣くこういう状況にならざるを得なかったんだろ⁈お前らがちゃんと市民権を与えねえから、辛い思いをさせられてんだよ!いつまでも多数派に依存すると思ってんじゃねえよ!!」


 私も、こんな魂の叫びをこの会場で聞いたのは初めてでした。


「おお、よくぞ言ったなあ、白金様」

「い、いえ。私たちも、確かにそういうことはやっています。昔の風習にとらわれて、そういうことも視野に入れて、計算に入れるのは、よろしくないことだと思います。だからこそ、独立を求めたいのです。勿論、本都さんとも、有効な関係を育みたいと思います。そのために、あなた方の理解が必要なのです。少数派だって、神怪と呼ばれようとも、忌み嫌われても、一人になっても、彼ら彼女らは、人間なんです。どうか、認めてはいただけないでしょうか」


 深々としたお辞儀に、拍手は鳴りやまなかった。

「それでは、投票に移りたいと思います。皆さん、スイッチは押しましたか?」

「早く終わらせよう」

「もう帰りてえ」


 ガタン

「あ、あの会議中は基本的に人の出入りは禁止なのですが?」

「いえ、緊急事態なので、勘弁を」

「緊急事態?」

「本都が、北方諸島の島を、爆破したようです」

「何?」

「マジか」

「さすが、出陽国の長ははやるなあ」

「十六夜のところには何も連絡をされていないのです!」

「まさか、軍が」

「勝手に?」

「やはり、島は潰した方が良いんじゃない?」

「お前らが説教できる立場かよって感じだしな」


「さあ、そういうことだ。どうせ、投票結果も反対多数なんだろう?俺らも、悪しき風習の残る島を残さないように対策を立てないといけないよな」

「そうだそうだ!」

「いいや、まだ結果は決まっていないはずだ。そうでしょ、シャルルさん?」

「…それが。賛成11票、反対15票でした」

「そんな」


「それより、さすがにこれはやりすぎなんじゃないでしょうか?意思の疎通は図れていますか、十六夜さん?」

「十六夜も、基本的には毎日連絡は取っています。しかし、これは秘密裏に行われいるようで。責任を持って、十六夜が誘導したいと思います。まずは、北方諸島に残る人たちの安全を考えましょう」


「では、これにて閉会とします。引き続き、十六夜さんと白金さんは避難等の準備をお願いします」

「はい」

「いやあ、ようやく終わったよ」

「ビートンさん、不謹慎ですって」

「やっぱり、殺人幇助国家には、無くなってもらった方が良いんだよ」


 これで、私の仕事は、終わりです。出陽国の方々には、仲良くしてもらいたいところです。あとは、茉釣さんと十六夜さんに任せます。


「連絡は取れました。十六夜さん、本都に向かってもよろしいですか?」

「いえ、十六夜的には今本都に行くのは、危険だと思います」

「でも、どうすれば」

「とりあえず、あなたの島に人を集めてください。私の方であなたの島への攻撃は食い止めますので」

「よろしくお願いします」

 彼女の約束は、結構な確率で守られているので、とても安心できた。


 結局爆破を受けた島は、一つで、消失。

 その後、島の主人が殺されたのが、1件。


 私は、十六夜と連絡を取れるようにし、ダイアサフィール会議場を後にした。


 島に着くと、皆が帰っていた。


「…あれ?薮坂、つつがなは?」

「…そういえば、いないですね。三波ちゃん知らない?」

「確か、茅野さんと一緒だったよね?神那ちゃん」

「ええ、そういった段取りでしたけど、炎香さん知りませんか?」

「分かんないけど、本都では北方諸島は完全に敵だったね。もしかして、彼女たちは捕まったのかも」


「…うそでしょ?」

「マジかよ」

「これはヤバいことになったな」


 ふう、ここで言わなければならないようだ。

「君たちも、決断の時が来るかもしれない。今回は茅野咲姫、恙青葉の救出が最優先だ。その後の、君らの将来は、無いかもしれない。そういうことに、なってしまった。ほんとに申し訳ない」


「いやいや、今謝られても」

「そうですよ、茉釣さん」

「少数派に、権利は無い。今までだってそうだったんですし。そんなものですよ」

「やめてくれ」

「分かっていたことです、それより今は救出です」

「ごめんな、無力で」

「でも、あなたの主張は、私たちの主張は無駄ではありません。だから、泣かないでください」

「…ああ」


「じゃあ、助けに行くぞ!俺たちが、ヒーロー・ヒロインになるんだ!」


「特異的じゃないと、なれませんね!」


「よし、行こう!」


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