朱雀さんの愛情表現98
婆様が進みでて、クモの前で印を切った。
すると、小さなふわふわした白いものが浮き上がって婆様のほうに向かってきた。
「おかえり」と言って婆様は、少し寂しそうに笑みそれらを迎えた。
昔、あちこちに罠はあった。
飢えて人間に殺されるのを覚悟で、助けを求めて入っていた動物たちが、
生き延びられたのはほんの少しでそんな動物たちの姿を見続けた。
繊細な姫の心は粉々になってくだけてしまった
姫と姫の世界は変わった。
そんないきさつでできたのが、あのレストランでやりすぎた姫の誤算で歪んでしまったが
必ず元に戻し、バランスよく効率のいい店にしよう、葛の葉は思った。
まだ姫が痛みを忘れていないのを葛の葉は知っている。
帰りは時間があったので遠回りの、安全な道から帰ることにした。
バックシートで
「大丈夫か、どっかけがしなかったか?」
白虎が朱雀を大事そうに抱いて言う
「大丈夫です」と言って朱雀は白虎の胸に頭を押し付けた
朱雀は、今の打撃をばねに、新しい自分が生まれるのを感じて、
また(この人がいれば、大丈夫)だと思った。
夢で見た家はもう思い出さないださないし必要ない
そう思えることが嬉しく頬は上気して、瞳はうるんで輝いていた。
白虎は、神秘な、幸福感と安堵感に包まれて朱雀を見ていた。
「あの子は人に頼ることをを恥と思っていたんだよ」姫が言って
運転しながら結界を張った。
「店の改装について話しましょう」
「ああそうだね」と事務的な声が聞こえた。