80/108
清明様の憂鬱朱雀さんの愛情表現80
森に入るとすぐ強力な悪意が襲ってきた。
B級のホラーから抜け出してきたようなグロテスクな顔、怒りをむき出しにして突っ込んできた亡霊に
朱雀がショットガンを打ち込んだ
その頭が爆発して飛び散って消えた
ドスンという音とともに何かが結界の上に落ちた。
朱雀はくるっとひっくりかえり反動が来た時のために、結界に足をかけあおむけになり引き金を引いた。
以前、屑の葉とトンネルを抜けた時、相手は帰還兵だった
バイクや車を操り普通の人間の形をしていたがここは違う、もう人間の形をしていないおぞましい
怨霊、理由のない抽象的憎しみと敵意
だが朱雀は慣れていた、こういう場所には何回も来たことがある。
見たこともない動きの生き物が、車に向かって突進してきた。
婆様が思いっきりアクセルを踏み込んだ
思ったより軽い衝撃とともにその生き物が甲高い声を上げて視界から消えた。
精神を集中し、どの方向に、どれだけ動くかを直感的に予測して引き金を引く
戦闘時だけに訪れる完全な冷徹さ、自分が限りなく正気であることを意識しながら
引き金を引き続けた。
その正確さに怨霊たちもひるんでいるように見える
大丈夫、何とか切り抜けられるだろう




