朱雀さんの愛情表現⑦
「そういえば、葛の葉はどうした、あいつのが薬物に詳しいぞ、毒薬番長だ」
朱雀は少し考えてから
「えっと、なんて言ったっけ、お百度参り中で、今人に会えないんだって」
「それは、お百度参りじゃなく丑の刻参りだろう、誰を呪ってるんだ」
「稲荷様、ものすごくののしられたらしいんだ」
「まったく」青龍はがっくりと肩を落とした。
「何で、そんなに執念深いんだ」
あれから一か月はたっている。
「いや一週間だけ呪おうとしたら、頭のろうそくが倒れて髪の毛が燃えちゃって、今やり直しの
最中らしいんだ」
「ばかか、自業自得だ 頭が燃えたってどのくらい」
「転んで藁人形に引火して、慌てて消そうとしたら、髪の毛に燃え移って
転げまわってそこから神社の階段落ちして泥まみれで、足引きずって
真っ青になって帰っってきたそうだ。
清明様が悪霊と間違えて封印しかけたらしいがガスバーナーで応戦したらしい」
青龍は夜中の神社でパニック起こして、釘とかなづちをもって、ぐるぐる転げまわっている姿を
想像し、また清明様との戦いを想像したら笑いが止まらくなった。
朱雀にもそれは伝染して二人でげらげら笑った。
「あいつは、陰陽道じゃなくハンムラビ法典を信じてるんだ」
「ぎゃははは陪審員とかなったら最悪だね、まあ、大したことはないが今ショートボブになった
それを、あの愛人の人が気に入ってさ、まあ不幸中の幸いだね」
「確かに・・・」
「とにかく夜になったら、出かけよう」
(とにかく白虎どのを喜ばせねば・・・・)
朱雀は固く誓った。