朱雀さんの愛情表現 ⑥
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「うう、いやだな」青龍は思わずつぶやいた
何かを要求されることもそうだが、その場所に行くこと自体がいやだった
みんなは船着き場と呼んでいる死者の魂のつく場所で、ここで魂は天国行、地獄行、時には
すぐに転生するものもいる。
それ自体は問題ない
問題は、死んだことを自覚できていない物や、生きている時から悪意や失意の塊で悪霊化している者が
ふきだまっている場所がある。
その真ん中にカフェはある。
なぜそんなところにあるかと言うとそれらを餌にしたり
使えない者は薬にして使うらしい
その時にあることを思い出した。
「俺 、車がない」
「あん?」 朱雀が言った
「漁に行って一生懸命働いたら、車が変形して車じゃなくなってた。」
「あれは、キー回したら爆発したらしい」
「おれは諜報部員じゃないぞ、殺し屋でもない
なんでそんなことが普通に起る、くだらない嘘をつくな」
朱雀はしばらく考えてから言った。
「しょうがない 白虎殿の車で行こう」
「なんでそこじゃなきゃいけないんだ、なんか作ればいいだろう」
「白虎殿は怒らないから感謝することを忘れてたんだ
ハリエットさんの話は感動的だったしもし急にあえなくなったらなんて考えたこともなかった。
戦闘妖怪だしそういうこともあるのに、
いなくなったら何も返せない、 きっと後悔してもしきれないと思う」
その声には厳粛で悲壮な決意がこもっていた
それで、俺は墓穴を掘ったのに気づいた。
「しょうがないな」と言うとほんのり笑った
私の名は女 それ以上