朱雀さんの愛情表現59
陰陽師家の朝食はまだ続いている
「お前は一体なにをいってる」清明が言った。
「いや、ふと気になって・・・・」
「あらあら大変、もう煮干しのだしでしたのに・・・・」
言いながら、葛の葉が白虎のこぼした味噌汁を拭いた。
「ああすいません」
言いながら白虎は立ち上がったがなんという不毛で不潔な会話だろう
まだ朝食だというのに・・・・
そうだ、人数が多くなるとこうなる。
一見、和やかな、どこにでもある食卓で、独自の精神世界が淡々と繰り広げられ散らかりまくる
そういえば、朱雀は、まあ朱雀がいると暴力沙汰に発展することが多いので今日はいなくてよかった
そんなことを考えていると葛の葉が
「どうしたの、青龍ちゃん 急に・・・」
「いや、あのお婆や、腐女子狐たちもどうして俺をそっち方面に行かそうとするんだ
ここに、ときめき きらめき キングダムハーツグレートちょわよーんがいるじゃないか?」
青龍が、腹立たしいほど生真面目な顔で自分に振るので、白虎も食卓に乗って、タップダンス
とか踊ったりしてやろうかと思ったがそれもばからしいし、もちろんしない。
葛の葉がまた柔らかく笑って
「BLと現実は違うから、白虎殿はリアルでしょ、現場で日本酒のみながらせいやあ、どっこいやの
どっこいしょとか言わないとねえ、それといろんな液体とかにまみれないとね」
葛の葉がにっこりといった。
「ふむ、そういうものか?」青龍が今までにない真剣な顔で考え込んだ。
「お前はそんなくだらないことで来たのか?」清明が言った。
「じゃあ、清明様はどこのジャンルに入るんです?」
青龍がまじめな顔のまま言った。
「清明様は、やっぱり神聖なものでないと、展示関係かしら?
秘宝館とか?」葛の葉が答えた。
「秘宝じゃないだろう、あそこには立派なものが、そうだピーナッツとか柿ピーの
販売機にすればいいんじゃないのか?」
「そうね、メリハリってたいせつなのよね
ああでも格差社会的な問題になってしまうかも」
「それは、まずいな、あ でもみそしるおいしい」
「あらよかったこと」
屑の葉がにっこりと笑った。
「お前ら何を言ってる」清明の読んでいる、新聞が震えてガサガサと音がした。
「いやあ、昨日、刺客が来ましてね」青龍がキッシーのことを話した
「もうどうでもいい、体が痛い、わしは横になるからマッサージしてくれないか?」
清明が言った。
「マッサージって普通に?オプションで・・・」青龍が言った。
「昨日の天ぷら油の残りがありますわ」葛の葉がにっこり言った。
その時
「うぎゃああああ、あんぎゃあああああ」
という怪音とともに何かが飛び込んできた。