朱雀さんの愛情表現57
「 お湯をもってきてくれないか」
清潔なタオルも」キッシーが言った言葉に対して入ってきたのは病院マッチョナースで
はなく、おもちゃの鼻眼鏡をかけたチビ鳥だった、変な巻きひげもついている。
変装しているつもりなのだろうか?
普段なら笑えるが持っているものを見てぎょっとした。
ぐわんぐわんと沸騰しているやかんと薄汚いぞうきん、それをどんと置くとまたもそもそと
押入れの上に入っていった。
なんというガサツな奴だろう、あまりの仕打ちに悶絶して袋叩きにしたかったのだが
体が動かないので、俺は渾身の力を振り絞って横に置いてあった、注射針を口に含んだ
あいつは元の髪形に戻っていた、狐が幻術で治したんだろうが本当の姿を見せてやる。
秘効をつけば、キッシーだって治るかもしれない。
キッシーの嫌いなもの、悪ふざけするやつ、チャラいやつ、やさおとこ、つまり俺は全部当てはまっ
ている、だからこそ今までノーマルでいられたんだ。
焦ってはいけない、自分は鳥が顔を出すのをぐったりしたふりをして息をつめて頃合いをみはからい
そしてまたにやにやと顔を出した、瞬間にさっと頭を上げて針を吹きつけたやった。
「ぎゃっ」とさけんで引っ込んだ鳥を見て「なんだ」と言って顔を上げたキッシーの首筋にも針を
ふいた。
「ぎゃああ」キッシーが昏倒し倒れた
いまだ、と思いほふく前進を始めると、押入れの中から「うぎゃあああああああ」と声がする
鳥だ、幻術が解けて落ち武者に戻ったんだ
見上げると、目から大量のない涙を流し鳴きながら「たたりじゃ」とフリップをかかげ
落ち武者の刈り取られた部分に、押入れの中の木でも使ったのだろうか、
矢を突き立てた鳥がいる。
この期に及んで・・・・・