朱雀さんの愛情表現54
「あああああ、これは」二人は同時にさけんだ
「キッシーだ、さわやかキッシーだ」朱雀が立ち上がって言った。
「なんか前より怖いな」葛の葉もいった。
品よく、白い歯で笑いレグと談笑している。
どういう化学変化なのか、キッシーの内部の窓が開き、傲慢さ、冷淡さ、金で解決
汚らしいと同時に合理的な信念
そして恐ろしい性癖
すべてのものが、出ていき代わりに高尚で前向きで善良な青年医師が入ってきたかのようだ
それは、初夏の空にはためく洗濯したての白いシャツを思わせる。
「ちょっと、待ってこれ完全に操られてる」葛葉が言った。
「あの、キッシーだぞ、いくら婆様でもここまでできんのか?」朱雀が言った。
「婆様、黒魔術に手を出したのよ、キッシーはそこまで免疫がないんじゃ」
葛の葉が言いながら、チェス盤をトントンと動かした
しばらくそれをじっと見ていたが、駒が動く気配はない、葛の葉はそこに目をやったまま
「朱雀、皮を取っておいで」少し思いつめた顔で言った。
「皮、青龍の皮」
「あれがないと取引は成立せんのじゃ、今、婆様はキッシーと青龍、そして天使さんを
抑えるので精いっぱい、今しかチャンスはない、お前の姿はキッシーと青龍には
見えるかもしれんが、家政婦とかいっておけ、婆様はみえんようにしておくが目立たないように
ついでに脱皮ショーもとっておいで、これは新しい分野かもしれん
ムキムキ脱皮 BL、今風に言うと異世界行ったら生皮はがれましたがなにか?みたいな」
くくっと笑って言った。
「よっしゃー」朱雀が叫んで、カメラと刀をつかみ走って行った