朱雀さんの愛情表現53
清明様ルンバは急に止まった。
活力満々のすましが何匹がつるーり、つるりーりと吸い込まれていったが白虎は
動けずにいた。
耳元で葛の葉がやさしく、
「こういうことは勘ぐる人もありますからご内密にね♡」
と優しくささやいて去っていたが角を曲がった途中から走り出した。
(次に、動かさなくてはいけないコマはシイタケの苗床になっている朱雀、今日が終わってしまう
明日も、世界も、でもその前に転ばぬ先のパンプス)とぐちゃぐちゃの思考をめぐらせながら・・・
動揺と使命感が不条理な強迫観念をもって襲ってくる
不安は白虎度殿と清明様が、遠心力で吹き飛ばしてくれた。
なぜ、自分は死に惹かれるのだろう、自殺などしたくもないものが死を考える時点でおかしい
惹かれているのではない、どちらかというと引っ張られている
部屋に帰り、ビニール袋に入った、シイタケを取り出して印を結ぶと朱雀が表れた。
「朱雀、朱雀」ゆすると
「ああん?」と言って朱雀が目を開けた。
葛の葉は周りに散らばったシイタケを拾いながら朱雀に
「どこまで覚えてる?」と尋ねると
朱雀はほとんど覚えていなかった。
説明すると「ああそうだ、踊りは」と叫んで立ち上がった。
ところどころにシイタケが生えている
「気持ち悪い」と叫んで朱雀が、シイタケをむしりながら「ああ、皮だ、皮、脱皮」
と叫んだ
「あれがないと始まらんじゃ」葛の葉が叫んで水晶玉をもってきた。
「なぜ、水晶玉を持ってくる?」朱雀が聞いて、葛の葉は婆様を怒らせてしまったことを言った
ついでに自分のよくわからない違和感にについても・・・
「お前、が自殺うそれはおかしい、なんかの力が働いてるぞ、でもおかしいな
婆様の性格だと、報復は青龍に行っているはずだ」
朱雀が考え深げに言って二人は水晶球を覗き込んだ。
見たことのない、すらりとした優美なメガネをかけたさわやかな、白衣の青年がうつった
「ちょっと、これ誰?」
二人は顔を見合した。