清明様の憂鬱 朱雀さんの愛情表現㊷
しんとした部屋の中で、レグは青龍の手を取った。
この恐ろしく強いが、傷つきやすい、そしてそれだけならまだいい
いったん崩れると何をしでかすかわからない青龍
だからと言って関係を断つ気にはなれなかった。
むしろ、保護しなければならなければと使命感すら感じていた。
力を持っている分何をしでかすかわからない
もちろん自分たちは対等だし、青龍に助けてもらうこともあるだろう
でも、この奇妙なまでのバランスの悪さは自分がおぎなおう。
でなければいつか必ず命取りになる。
レグは確信した。
それを見ながら
「かかったあ」とか言いながら、大笑いしている連中がいることをレグは知らない
水晶玉を見ながら
「うひゃひゃひゃひゃ、あっひゃひゃひゃひゃ」ソファに転げまわって葛の葉と婆様は笑った
ひとしきり笑いが治まると
「これで青龍も一安心だ、しかし天使と言うのは、善良なもんだね」婆様が言った。
「天使と言ってもいろいろいますわ、あの人が善良ですのよ」
「それより、婆様、お茶の分量間違えたでしょ、ここずいぶん暗いですからキッチンだけで
も治しましょ」
そういいながら、てきぱきと電球を変えだした。
「帰りに、結界を見ていきますが、何かあったら波様に、式神飛ばしておきますから
連らくしてしてください、黒魔術もほどほどにしてくださいませ」
「波様? ああ、水鏡の姫さんかい、こんな汚いところに来るかね」
「大丈夫来れば、綺麗になりますから、それに婆様だって、姫でしょう?」
「昔のことは忘れたよ」婆様は笑った。