清明様の憂鬱 朱雀さんの愛情表現㊵
「うぐううぐぐー」自分でも意味の分からないうめき声を上げながら青龍はのたうっていた。
頭の中だけははっきりと澄み切っていたが体がいうことを聞かない
これほどもどかしい思いをするのは初めてだった。
しかも人間相手に、力を振り絞って立ち上がろうとするとベルトとシャツを引っ張られまたうつぶせに
ひっくり返った。
(こいつら本当に人間のなのか?)
人間に対してこれほどの恐怖を感じたのは初めてだった。
自分の疲労のせいなのかそれにしてもおかしい。
闇はますます濃くなり夜露に濡れた草が手に触れた。
服はあちこちさけてボロボロになっている、それでも何とかしなければいけない
その時
「彼に手を出すな」
と厳しいと同時に魔法のようにきれいな音楽のような声が聞こえた。
それから白い光と金色の髪が見えた。
レグだ、確かにレグだ、色の違う厳しいが慈愛を画した目に偽物じゃないと確信した。
いつのまにか、わけのわからない情欲のはめをはずしすぎた礼儀知らずのハッテン野郎たちは消えて
「青龍 青龍 大丈夫」
レグの声がした。
「レグ、俺がわかるの」
消耗しきった体力をふり絞って言ったが小さな声しか出なかった。
「わかるよ、ごめん、本当にごめん」
血の混じった泥をかぶったような俺を支えてくれた。
こんな俺に触ってほしくない、レグまで汚れてしまう
「レグ、汚れ・・・」
その時消耗しきった体力がぷつんと切れて意識がなくなった。