朱雀さんの愛情表現㊲
とつぜんガツンと言う衝撃とともに、すべてが空白になった。
葛の葉はぼんやりとはじかれた拳銃を見た。
それから現実感が押し寄せて来た。
「あああああ、あぶねえ」自分の声が聞こえて後ずさった。
「びっくりしたのはこっちだよ、お前が自殺なんて、清明様やまわりを自殺においこむならわかるが」
言った婆様も見たこともないほど動揺している。
「今、完全に引っ張られましたわ」
葛の葉はどうきが治まらず胸を押さえながら言った。
(えっと、こういう時は憎め、祈るなじゃなくてあわわ・・・)
葛の葉が混乱しまくっているのがわかった婆様は
まだ、立ち尽くしている材田さんを振り返って
「早く上がりな」と印を切った。
と途端に大きな木戸が現れ婆様はそれをガラガラ開けた。
「攻撃は最大の防御」
ぶつぶつ言いながら葛の葉が立ち上がり、銃に弾を込め始めた。
婆様の顔色が変わる。
「早く上がりな、心中なんてロマンティックなもんじゃない
そういうのもあるかもしれないが相手が悪ういよう」
婆様が叫んだと同時に葛の葉が立ちあがり、ひきつった笑いを浮かべた、
まだガクガクしている指で、拳銃を構え
「はーい さっさっとあがりましょう、出ないと心臓から遠いところからうっていきますよお」
言った瞬間に一発目が発射された。
ガクガク震える手でうったそれは大きく軌道をそれ後ろのテーブルに当たって
おびえた猫たちが必死に、あーお、あーおおおおおおと鳴きながらドアに突進した
材田さんは必死に階段を這い上がったが、そのあとも乱射は続いている