朱雀さんの愛情表現㊱
続行いたします とりあえず・・・
婆様の言葉より、高揚してくる自分が面白かった。
私の生は有限、いつか滅びていく
誰でもが好きな生き方を選択できるわけではないが、生きている限り何でも起きる。
自分が想像もしなかったこと
どんなひどいことも美しいことも
でも、なんであれ真剣で究極的にやらなければつまらないじゃないの
私は生より多くの死を見て来た。
もう、見ることもない、誰も憎まず、憎まれることもない
まともでありたかった。
愛され慕われる存在になりたかった。
いつもうまくいかなかったけど、でもまっとうな方法じゃなかったけど
屋敷は財政難からは逃れた、みんなはもう飢えたりはしない
それだけで十分じゃない?
あとに残るのは静寂、永遠の静寂 、変わらない物なんてないと思ったけどすぐそばにあった。
陰湿さ、希望、自信、何もかもなくなる。
明日の朝さえも、銃口を舌先でなめてみると鉄さびの味がした。
血の味に似ている。
あの人が吐いたたくさんの血、昔は確かに誰かを愛していたけれどあんまり昔で
思いだせない。
それからこめかみに銃口を当てた。
気を付けないと、頭蓋骨を回って弾がぬけてしまうと聞いた
「ちょっとお前」婆様の声が聞こえた。
「くくっ」自分の笑い声がする、とても遠くから
「ああそう、ファンタジーでしたわね」
浮かんできた。
言葉をゆっくりと言った。
「彼はわたしを気持ちよくする、彼は私を殺す」
そして、引き金にかけた指に力を籠める