朱雀さんの愛情表現㉙
「ああ、これは 」葛の葉が叫んだ
「ダンスですよ」
「でーんしんぐ」
「そーだ ふれーくでんすと言うものだろう」婆様も言った。
タコの様にくにゃくにゃと様式化されていない動きはだんだんに激しさを増してくる
「ちょっと、これどうにかなんなんないんですか?」
「いや取引が、すむまでどうにもならんし、害がないからいいだろう」
「あの」葛の葉はこめかみを押さえながら言った。
「清明様は意外と、と言うかとても有名人何ですんけど・・・・」
「それにしてはリズム感がないねえ」
「いや、それより、その前に仕事がなくなりますよ」
「なんかかぶせればいいだろう、服も着替えさせて」
「まあ差し当たってそれしかありませんね、婆様この髪なおしてもらえません、霊力がおちますわ」
「ああ、そうだね」髪の毛がふわっと広がった
「ああよかった、首の回りがすうすうして落ち着かなかったんですの」
せめて髪だけでも戻ってよかった。
清明様は不思議な踊りを踊り続け、朱雀はシイタケの温床と化し
青龍は(俺はなにわのモーツアルトじゃない)
という、謎のダイイングメッセージを残したまま行方不明になってしまった。