朱雀さんの愛情表現㉗
「料理は食べるかい」
「いただきますわ」葛の葉はにっこり笑って言った。
「いや、今日はケーキにしよう、おぼちゃん好きだっただろう」
「やった」とおぼちゃんが笑った。
葛の葉は出された紅茶を飲んで「相変わらず、落ち着く味ですわ」と笑った
「それのレシピを知っているのに、平気で食べられるのはあんただけだね」婆様は笑った。
「私はもともとただの獣です、私から見れば婆様のが不思議ですわ」
「なぜだね、私の取引は複雑だよ」
「ただ、退屈なさっているだけでしょう、そうだ朱雀の髪あれには何の意味がありますの?」
「朱雀?わしは知らんが、青龍にはちょっといたずらしたけど・・・」
「ええ?婆様の仕業じゃないんですの?」
婆様は世界中を見られる、水晶玉を出し、二人はそれを覗き込んだ。
朱雀が車から乗りだし対向車に髪の毛が持っていかれて白目をむいて
ぶくっと特大のシャボン玉のようなものを吐き出す瞬間が映し出された。
「こんな、ひどいこと私はしないよ」
「事故だったんですね、しかも全面的に自己責任ですわ」
それから、きのこが生えたことを話すと
「まさか、それを誰かに食べさせたんじゃ」
「清明様に食べさせましたけど、シイタケでしょ?」
「あれはあれは・・・・」
婆様が言いかけたとたんに葛の葉のバッグがガサガサなった。
葛の葉はバックからそれを出してしばらく固まった。
「青龍から式神が、俺はなにわのモーツアルトじゃないって・・・・」
「なんの暗号なんじゃ」
婆様がこめかみをひくひくさせながら言った。
「わたしがききたいですよおおお、なにが起こってるんですか?」
葛の葉が言った。




