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朱雀さんの愛情表現㉕
夜食を運んだあと、屑の葉は黒魔術の本を集中して読んだ。
しばらくして、また駒がスーッと動いた。
お婆様、もし変わっていなければ、まだ私の好きないたずらっこのような婆様であれば
退屈しているのであろう
もう長いことあっていない、とりあえず話を聞かなければ
着替えてそろそろと歩いて、車庫にまわった。
「おぼちゃん起きてる」
そっと声をかけるとウトウトしていたらしい、朧車のおぼちゃんが
「くーちゃん?」
と答えた。
おぼちゃんは「クーちゃん」と言ってから自分の髪型にびっくりしたらしい
「どーしたのその髪?」
「変でしょう、これでも伸びたのよ」
「そんなことない、すごいいいよ」
「これから婆様のところへいきたいのよ」
「婆様に何かあったの?」
婆様が大好きなおぼちゃんは心配そうな顔になった。
「まだわからんけど、おぼちゃんには危険がないようにするし、もともとあの人は天変地用を押さえ
守る人じゃ、だから大丈夫」
「僕も、話していいの」おぼちゃんが言った。
「もちろん」と言うと嬉しそうに笑った。