表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/108

朱雀さんの愛情表現⑲

「ちょっと、なんでこんなことに何のじゃ」


ドアを閉めながら葛の葉が言った。


 俺は部屋の墨に落ち武者を座らせてから経緯を説明した。


「まったく」葛の葉はお茶をおいてから、チェスのセットを置いた。


 「あそこには行っちゃいけませんって言ったわよね、言ったね、確かに言ったね」


「そういえば・・・」


「そういえばじゃないの、おまけに取引までしてなぜお前はすぐ忘れるんじゃ」


 チェスの駒が勝手にすすっと動く

 

「取引ってそんなおおげさな」 


 また駒がすーと動いた。 


「大げさじゃないぞ、これ、あの婆様 腕上げたな、黒魔術使ってきた


結構まずいぞ お前脱皮まで隠れたほうがいい」葛の葉があまりに真剣な表情になったので怖くなってき


た。


 「そんなに大変なのか?」 


「大変も大変じゃ、唯一助かる道は石榴をぶつけるぐらいじゃ」


挿絵(By みてみん)


「ざくろおおお」俺は大声を出した。


 「それは助かるとは言わないだろう、日本刀でもがき苦しむか、毒薬でのたうちまわるか選べと言って


るのと同じだ」


 葛の葉は笑わなかった。


代わりに奥に行って分厚い本をもって来た


 なんだか生臭い


 「それはネクロのみかんとかいうやつか?」


 「ネクロノミコンは死者召喚の本じゃ、みかん召喚してどうする」


  その時、白虎が帰っ来てこの部屋にまっすぐ歩いてくる気配がした。


  俺と葛の葉は顔を見合わせて真っ青になった。


  「大変じゃ」葛の葉が眠っている落ち武者の前に行って何か唱えだした


  「幻術はやめろ」おれは言ったが一足遅かった。


   葛の葉が「ぎゃっ」と言ってひっくり返って座り込んだ


  「どうした」走って行った俺も愕然として動けなくなった。


   抜けた髪の部分に、シイタケが ぽん ぽん すぽぽぽん と音を立てながらリズムよく


   生えだしていた。


挿絵(By みてみん)


   「葛の葉殿、朱雀はいますか?」部屋の外で白虎の声がした。


 


 





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ