朱雀さんの愛情表現⑰ 最初の代償
「あの、今頭こすったみたいなんだけど・・・」朱雀は寝ぼけたような声で言った。
こいつには痛点がないのか?
衝撃でぼんやりとしているのか?
俺は、笑いそうになったが必死でこらえた。
今ここで騒がれたりしたら今度こそ事故る
そしてこいつは大騒ぎをする絶対に、大変な大騒ぎをするだろう
頭に手をもっていこうとするので
「だー やめろさわんな」と叫んだ。
「何でぇ、どーなってんのぉ」などと言うので
「ちょっとキズが入っただけだ、せっかく可愛くなったのに、もったいないだろう、家までじっとしてろ」
と言って、目の前で指をパチンと鳴らした。
朱雀の瞼ぱたんと落ちた.
よかった、眠ってくれた。
本当は髪の毛を生やしてやろうと思ったが、婆様の魔法はとても強いので
エノキとかカイワレ大根が生えたら困る。
とりあえ屋敷にに帰らねば・・・
屋敷に帰ると白虎の気配はない、よかった、こんなものを見せるわけにはいかない
取り合えず、朱雀を背負ってこんな時にこそ頼れる、葛の葉の部屋に向かった。
チャイムを鳴らし
「俺だ、開けてくれ」と言った。
そういえば丑の刻参りの最中とかいってたな、返事しないかもでも、そしたらどーすればいいんだ
俺が勝手に途方に暮れているとすんなりとドアが開いてショートになった
狐が顔を出した。
そして 「お前どこに行って来た」と言いながら中に入るようにうながした。