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朱雀さんの愛情表現 ⑭ サラダ
婆様は今すごくいいことを言った。
でもそれはバレンタインとは全然関係ないし、なにか嫌な暗示を感じさせたが、運ばれてきた料理は物凄
くおいしそうで我慢できなくなった。
「どうする、食べるかい」これを食べてもすんなりいくとは限らない
結果的によくなっても、それには何かがついてくる。
平凡な悲運の時もあれば、大惨事の時もある、考えている間に朱雀がパンにかぶりついた。
「あ、こら」
「大丈夫、何とかなる、ぎゃあああああ」「どうした」
「美味しい、おいしよおおおおおー」ほとんど咆哮に近い声を上げたので
俺も我慢できなくなった、えーい何とかなる。
パンはさっくりとふっくらして中のシチューは野菜の甘みでトロトロとなんかもう地獄の味だ
中の肉も口の中でしゅっと溶けてしまった。
付け合わせのサラダには細かく刻んだカリカリのベーコンとちょっと芯が残ったジャガイモが合えて
あった。
「ぎゃあ 美味しい」
「これはお代わりしていいの?」
「ああ好きなだけお食べ」
なぜあんな短時間でこんなものができるのかわからないがとにかくおいしかったのでもくもくと食べた