朱雀さんの愛情表現⑬ ホワイトシチュー
「ちよっと何で俺なんだ?」
青龍は起き上がりながら言った。
「お前もうすぐ脱皮するだろう」婆様が言った。
「だっぴ・・・・だっぴって脱皮」朱雀がつぶやいた
「あそうだった」青龍が言うと「何でお前いままでまでほっといたんだ、大人なのに・・・」朱雀が
さもいやそうに顔をしかめた。
「違う、その脱皮じゃないんだ、全体的にだ しみやそばかすも取れてお肌すべすべになるんだ
どーだうらやましいだろう」と言うと朱雀が考え込んでいる顔になった。
「その皮が必要なんだよ」婆様が言いながらカウンターに入って来た
「いいけどまだ先だぞ」
「だからそのための料理を作る」
「それってどうなるんだ?」
「まあ料理を見てお決めよ、カウンターから出ておくれ」
婆様はカウンターの中で野菜と肉をバターでいため煮込みだし店中たまらなくにいい匂いがたち込めた。
それから瓶に入っている粉をてきぱきと鍋に入れて牛乳と生クリームを落とした
「うう」朱雀がうめいて胃のあたりを押さえた。
青龍も自分でどれだけ空腹なのかわからなくなるほどお腹がすいて来た
「お前、よだれ出てる」 「お前はよだれと涙出てる、泣くことないだろう」
言いながら朱雀の眼からも涙が落ちた。
その間にも鍋はぐつぐつ煮え立ってますますいい匂いを振りまきだした。