時代の波
わたしには誇らしい過去がある。
仲間と分かち合い、先生に励まされ、自分を追い求め
わたしはそうして生きてきた。
きみのおかげでわたしはいる。
だからこそ、きみがさみしいのならそばにいたい。
だからこそ、きみが泣いているのなら笑わせてあげたい。
だからこそ、きみとともに生きていきたい。
高校を卒業し、たくさんのたいせつと毎日会うことができなくなった。
みな、今の自分で精一杯で同じ時間を過ごせなくなった。
今までのたいせつは変わっていってしまった。
今までのたいせつをこれからもたいせつにしたい。
わたしはたいせつを追いかけた。
でも。
わたしたちはもうすぐ成人だ。
社会に出て働く人間になっていくんだ。
否応なく大人の世界にあいさつするんだ。
過去にこだわっていたらだめなんだ。
そう言うかのように、離れていく。
今までわたしを生かせてきたたいせつが消えていく。
むなしい。ただただむなしい。
みな、自分の波を探さずに、時代の波にのっていく。
自分の波にのって生きるひとをかっこいいと思いながらも。
自由だけを追い求めて生きるひとを羨ましいと思いながらも。
日々の生活に憤りを感じていながらも。
きみはなんで生きているの?
きみはどうして生きているの?
きみはなんのために生まれてきたの?