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プロローグ~『時宮颯太の人生』

 世界救世主、それが時宮颯太だ。

 生まれた時から、彼は時空を移動できる力を持っていた。だからか時宮颯太が小学5年生の頃、彼は教室で可笑しなことを言い始めた。


『世界が滅びちゃうよ!』


 と、彼は言った。そこまではよくある子供の戯言なのだが。


『2025年11月24日午前11時4分。地球、それも日本に隕石が落ちる!』


 彼は両手を伸ばし何かに助けを求める様に叫んだ。

 日本に隕石が落ちてくる。それも時間軸を詳密に寸分の狂いもなく。

 普通に考えれば、妄想だと思うだろう。だが彼は超能力者だった。それも時を移動することが出来る、時空間移動をすることができる。

 だがその時はまだ俺らはそのことを知らなかったし、知っていたとしてもそんなの信じられるわけがなく、だからか俺らは、無邪気に笑った――というと楽しそうな雰囲気に思えるかもしれないが、現実は異なる。

 クラスメイトが突然何の脈絡もなく、地球に、それも自分たちが住む日本に隕石が落ちてくると予言したのだ。それは、まるでかの予言氏のごとく。

 その言葉に僕らは声を失った――いや厳密に言えば、声は出せた。ただ誰一人、彼に詳しく話を聞くことが出来る者は居なかった。


『このままじゃあ、皆死んじゃうよ!』


 再度、彼は言う。

 彼の言葉に、教室の女子たちは両手で耳を塞ぎこみ、男子たちは疑い半分ながら次の言葉を待っていた。


『どうすればいいのかな?』


 彼は教室内が静かになったことなど気にしないのか、僕らを見回しながら疑問を投げかけてきた。

 ――どうすればいいかなんて俺たちにもわからない。

 だってまだ、そのころは小学五年生だったのだ。

 ただでさえ、信じられない突拍子な発言に僕らは驚き、呆れ、困惑していた。

だからか、誰一人颯太の設問に答えなかった。

 そしてその日、一言もしゃべることなく、皆は帰って行った。


 次の日、ふとテレビを見ると、そこには颯太の姿があった。なんでも未来に行って、今から五年後の新聞を持ってきたのだという。

 最初から僕らに対してもそうしてくれれば、彼の言葉を信じることができたのだろうが、それもまあ、当時の僕らには思いつきもしなかったし、考えても無駄か。


 ――そして、その新聞に書かれていた情報を頼りに専門家たちに急いで調べてもらったところ、本当に地球――それも日本目がけて突っ込んできそうな惑星が見つかったのだという。

 惑星の名は『2025JB』。

 後にそう名付けられた惑星は、最新先端科学技術により、とある方法で軌道修正され、地球からは遠く離れた地へと旅立っていった。

 国が報告した資料には、もし惑星が早期発見されなければ、日本は消滅していてもぜんぜんおかしくないとのことだ。

 つまりは、彼は本当に時空移動したのだということだ。

 それで颯太は世界救世主と呼ばれている。

 そして、それが彼に対しての俺の唯一の記憶。

 一時はその件で騒がせたものの、それっきり彼は行方不明となっていた。

 そして。今から一年前。

 彼が一五歳の時。

 颯太は俺らの前から消えてしまった。

 どこにいったのかはわからない。

 ただ、彼は過去や未来に時空旅行をしているのだと思う。

 それは推測にすぎないのだが、でもなんだかそうだと思う。

 そう、懐かしき記憶を思いだし、時は過ぎていく。


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