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世界一わがままな妹

作者: 革野みなり

僕の妹は変わっています。

僕より三つしたの妹は小柄で色白の美少女です。

かなり高いフリフリのロリータだったでしょうかを着ており、部屋にはぬいぐるみとお人形と本が溢れ返っています。

妹はかなり自分勝手です。

しんどいから、つかれるから、と体育をしなかったり。

面白くないからと授業中も読書をするかお裁縫や編み物にいそしんでいます。もちろん、家でもお勉強なんていたしませんから成績はかなり悪いです。

それだけならまだいいのですが、雨の日や日差しが強い日は妹は学校に行くことすらしないのです。

テストの点数は悪い、出席日数もたりない妹は留年確定でしょう。

妹には、友人もあまりいません。というよりかは皆無です。

話し相手は僕か両親か部屋のぬいぐるみとお人形達。

それも当然といったら当然でしょう。

なんせ、妹の自己中ぶりは人を選びません。

妹は意地悪も悪口も大好き。

嫌いな人はとことんいじめ、気に入った人はとことん可愛がる。

でも飽きたらポイ。

そのうえ、妹は謝る、感謝するということをいたしません。

自己中なんて言葉じゃ生ぬるいほどの自己中。

彼女にとって、自分を中心に世界は回っているのではなく、自分を中心に宇宙は広がっているのです。

そんな妹は、お洋服に関してはかなり慎重です。

気に入ったお洋服しか着ませんし、お洋服になら寛大です。

ある日、ヒールの少々高いブーツを履いて買い物に出掛けるという妹に僕は忠告しました。

「そんな靴じゃ足痛めるよ」

すると、妹は呆れ顔で言い返します。

「あのね、お兄様。私は足なんて知らないの。この靴が履きたいし、この靴じゃないとだめなのよ」

「だめなことはないだろ。足を大事にしなさい」

「わかってないな。だめなものはだめなのよ。私はこの靴を気に入ったから履くの、意地でもね。

お兄様、おしゃれはね犠牲なしじゃできないのよ。足が痛くても可愛いから履く。少し寒くても可愛いから着る。私はたとえ焼けた靴でもそれが最高に可愛くて気に入ったなら履くわ」

そう言って出掛けた妹は、僕には少しかっこよく見えました。

将来のことなど妹には頭にないのです。

妹のことですから、いつか王子様でも来てくれる。なんて思っているのでしょう。

もし、妹の自己中ぶりに耐えられる人が僕以外にいるのなら、見てみたいものですね。


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