表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『飽き性な俺の器用貧乏、異世界で「神の模倣者」へと至る 〜3ヶ月で極めて捨てる生活を卒業し、天狐様と終わらないクエストへ〜』  作者: A古町


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/65

第三十八話:正一位の神託と、怒れる三姉妹「モリグナー」

第三十八話:正一位の神託と、怒れる三姉妹「モリグナー」


 ロイヤル・ウェディングの熱狂も冷めやらぬ夜。社の奥に安置された『白玉』が、かつてない清浄な光を放ち始めた。


「……ん? 大介からか? いや、この波長は……」


 ショータが白玉の通信リンクを解析しようとしたその時、脳内にこれまで以上に荘厳な声が響き渡った。それはコンの念話でも、ショータの脳内補完でもない、「神界」からの正式なナレーションだった。


『――天狐の社の目覚ましい貢献を認め、神界より正式に「正一位しょういちい」の神階を授けます。今日から「正一位天狐大明神」を名乗ってもよいぞ!』


「ええええッ!? 我、ついに神様のトップ(正一位)になったのか!? これでお供え物の油揚げも食べ放題、一生働かなくていいということだな! 素晴らしいぞショータ!」


 コンはランクアップの衝撃で、長年の悩みだった「噛み癖」が劇的に改善されていた。淀みのない流暢な発声。だが、中身の「おとぼけ」具合は一ミリも進化していなかった。


「……いや、正一位になったからってニート生活に戻る許可は出してねーよ。むしろ責任重大だ。ほら、今のステータスを可視化モニターしてみろ」


ショータ:Lv.45【異世界プロデューサー】

(能力:全業務の自動最適化。周囲の「熱」を数値化し、卒なく操る)


コン:Lv.40【正一位・運営見習いの天狐】

(能力:広範囲の精神浄化。滑舌は完璧になったが、思考は相変わらず緩い)


リリィ:Lv.35【看板娘の悪魔巫女】

(能力:超高速マルチタスク。笑顔でのクレーム完封率98%)


アーシェ:Lv.38【出向・聖域の守護騎士】

(能力:一心不乱の署名。ガイを想う心で防御力3倍)


キキョウ:Lv.36【影の縁結びエージェント】

(能力:外堀埋めの極致。対象を気づかぬうちに「運命」へ誘う)


 一方、魔王軍本拠地。

 相次ぐ四天王の失態に、ついに「魔王軍の牙」と呼ばれる武闘派が立ち上がった。


 会議室の重厚な扉を蹴り飛ばして入ってきたのは、凄まじい威圧感を放つ絶世の美女。四天王の次席、モリガンである。


「ベルゼ、九尾! 貴様らのヌルい管理のせいで、我が軍のブランドイメージはガタガタだ! 私が直々に、あの不届きな社を更地にしてくれる!」


 モリガンは普段、杖を突いた老婆の姿で隠居を装っているが、霊力が高まる(=キレる)と、細胞が活性化して全盛期の若き姿へと変貌する特異体質。最近は社の繁栄を聞くたびに怒りが頂点に達し、常に「若返りっぱなし」の状態だった。


 彼女の背後には、美しき妹のヴァハとネヴァンが、気まずそうに控えている。


「……姉様、そんなに怒るとお肌に悪いですよ。そんなことより、この決めポーズの角度、これで合ってます?」


「……そうよ。それに、私たち三人のユニット名……『モリグナー』って、正直ちょっと恥ずかしいんだけど……」


「黙れ! ユニット名は士気を高めるための基本だ! 行くぞ妹たち、我が社の……いや、我が軍の武勇を思い知らせてやる!」


 戦いと性を司る死の女神たちが、怒りのままに「正一位」へと昇格した社へ向けて進軍を開始した。


「……あ、あの。お姉様。モリグナーの決めポーズ、左手が逆でした」


「走りながら直せッ!」


 卒なく、しかし今や「神界の頂点」に指名されたショータ。

 怒れる三姉妹「モリグナー」の来襲を前に、彼のプロデュース力は、かつてない「殺陣アクション」のフェーズへと突入しようとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ