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『飽き性な俺の器用貧乏、異世界で「神の模倣者」へと至る 〜3ヶ月で極めて捨てる生活を卒業し、天狐様と終わらないクエストへ〜』  作者: A古町


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第二十五話:反撃の四重奏と、城門の突破口

第二十五話:反撃の四重奏と、城門の突破口


「……よし、予定通りだ。コン、光を絞れ。リリィ、伝令デリバリーだ!」


 ショータの鋭い号令が戦場を切り裂いた。目前には、闇のバフを撒き散らす黒狐と、炎を纏う赤狐。だが、ショータの脳内にある「戦術工程表」に狂いはない。


「分かった(わにゃった)! 逃がさぬぞ、九尾の使い魔め! 『天つ狐の輝き(あまつぎつねのかがやき)』ッ!」


 コンが放った黄金の閃光。それは単なる目潰しではなく、ランクアップした彼女の霊力による「浄化の波」だ。黒狐が秘技で付与していた『暗黒』のバフが、ガラスが割れるように霧散していく。


「今だ! 帝都の精鋭、雪崩れ込め!」


 ショータの合図と共に、待機していたガイ率いる帝都騎士団が、重厚な地響きを立てて突入した。バフを失い怯んだ黒狐の四肢に、魔法の鎖と長槍が突き刺さり、その巨体を大地に縫い止める。


 一方、赤狐の周囲には無数の妖狐が壁となって立ちはだかっていた。


「ガイ! 右は任せたぞ!」


「アーシェ、背中は預ける!」


 二人の騎士団長が、現世の「コンビネーション・テニス」のごとき息の合った連携で、妖狐の群れを次々と斬り伏せていく。互いの死角を完璧にカバーし合うその姿は「効率的な集団戦闘」の結晶だった。


 二人が赤狐の喉元へ肉薄した瞬間、ショータはリリィの背を叩いた。


「リリィ、アリア王女へ伝令! 『全軍、これより総力戦アウトバウンドに移行。九尾を獲りに出ろ』とな!」


「了解ですぅ! リリィ、光速で行ってきますぅ!」


 リリィは戦火を縫うように空を駆け、城壁の上で指揮を執るアリア王女の元へ舞い降りた。


「アリア様! ショータさんからの合図です! 九尾を討ち取るなら、今しかないですぅ!」


「……よくぞ伝えてくれたわ。全軍、聞きなさい!」


 アリア王女が宝剣を高く掲げる。


「聖者様が道を切り拓いてくださった! 臆病な狐を、我らの国から追い出す時よ! 続けぇーっ!」


 絶望に沈んでいた城兵たちの士気が、爆発的に沸騰した。

 城門が轟音と共に開き、アリアを先頭に数千の兵が怒涛の勢いで九尾の本陣へと突っ込んでいく。


「……なっ!? 矮小な人間どもが、これほどの勢いで……!?」


 余裕の笑みを消し、九尾が初めて動揺を見せた。


「九尾、お前の敗因は『組織の士気管理』を怠ったことだ」


 ショータは営業マン時代の「勝利の確信クロージング」を込めた目で、九尾を指差した。

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