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プロローグ

「はぁ、はぁ…」


少年は必死に走っていた。


「おい!こっちにいたぞ!!」

「探せ!間違っても傷つけんじゃねぇぞ!」


男たちは少年を追っていた。


陽が沈み始めて辺りが赤く染まる頃、二人の少年たちは森の中で遊んでいた。すると、背後から数人の男たちが迫ってきた。それに気づいた少年たちは必死に男達から逃げた。

この国では、子供のみをさらう悪名高い人(さら)いが恐れられていた。そのため国は夕暮れ時以降に親の同伴なしに外出しないように警告をしていた。しかしその日、少年たちは夕方になっても村に帰らなかった。


少年たちは森の奥へと走った。必死に走ったが、間もなく一人の少年がとらえられてしまった。

それでも、もう一人の少年はその少年を置いて走った。


「いたぞ!こっちだ!」

「大人しくしろ!!」


少年は全力を振り絞って逃げたが、ついに捉えられてしまった。そして少年は男達に連れられ、離島の山奥にある古屋に閉じ込められた。

その古屋には少年の他に、たくさんの少年少女がいた。中にはまだ2歳にもなっていないような子供もいた。

少年は絶望した。そしてもう親には会えないであろうと思った。

そんな時、男達は古屋の外で話をしていた。


「おい、今日はどいつだ?」

「あぁ、今日は出荷の日か。ちょうどいいのがいるよ。」


男がそういうと、古屋の戸が開いた。そして男は一人の少女の手を引き、外に出ていった。


「こいつだ。」

「こいつ、ちゃんと売れるんだろうな?」


その少女は誰が見てもわかるくらい、完全に憔悴しきっていた。


「大丈夫だ。最近じゃぁ誰のいうことも聞くようになったが、そろそろ飽きちまってな。」


男が少し笑いながら言った。

するともう一人の男が血相を変えて言った。


「おい、まさかお前、またこいつらに手をつけたのか?」

「いいだろ別に。バレるわけねぇ」


男はそういうと不気味な笑みを浮かべながら少女を手渡した。手渡された男は、少女を引っ張り、どこかへいってしまった。

少年が閉じ込められてから約1ヶ月が経った。少年はとても痩せ細ってしまっていた。古屋の少年たちの食糧は毎日朝に一食。十数人に対して四人分程度がまとめて出されるだけだった。もちろんそれで足りるわけなどなく、古屋には餓死してしまった子供もいた。しかしそのような子供が弔われることなどはなく、古屋には常に異臭が漂っていた。また、監視役に気に入られた子供は夜な夜な呼び出されることがあったが、その度に不衛生な状態で戻ってきたため、小屋の中の衛生環境はますます悪くなってしまった。

そんなことが続いたある日、一人の少女が病死した。病死自体は珍しくもなかったが、その少女の病気は明らかに異常だった。少女は初めは高熱が出て風邪だと思われていた。しかし、その症状は日を追うごとに悪化し、最後には皮膚は赤く変色、頭部には腫瘍ができ肥大化、元の姿が分からないほどの見た目になってしまったのだ。

そんな少女の姿を見た人(さら)い達は恐怖したが、逃げる間も無く感染し、死亡した。そして古屋には少年たちだけになってしまった。

初めまして。こんにちはもしくはこんばんは。Charlieです。この度は私の小説を読んでいただき、ありがとうございました。不定期になると思いますが、これからも書き続けられるように頑張りますので、次回もお楽しみに!これからもよろしくお願いします。

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