第14話 綺麗な体は生食にぴったり
「抗ハブ毒血清に4億円? さてはこの女、ヤミ医者だな? 私は今、アメリカの薬価を世界最低水準まで下げて、支持率挽回を図っている真っ最中だというのに許せん」
「閣下、この女はお薦めですよ。先月のうちの海賊船の健康診断で、梅毒陰性、HIV陰性、尿検査でも細菌もカンジダ(カビ)も陰性です。採れたての牡蠣と同じくらい、生食にぴったりです」
「そうか。飛んで火に入る夏の女医とはお前の事だな」
何故か日本語の定番のフレーズを使う閣下。親日家か?
「あ〜れ〜。閣下、ご無体な〜」
と叫ぶイシヨ医師。
「悪党の悲鳴は聞こえないわ」
と艦長ちゃん。
「何も取って喰おうって訳じゃない。正規のルートで判決に持ち込むだけだ!」
さすがアメリカは放置国家だ。
「スッキリさせてもらったのはいいが、まだお前を手放す訳にはいかん」
閣下は鋭い視線で艦長ちゃんを睨む。
「閣下はもうお年なんだから、3日間位のインターバルが必要なのでは?」
「お前のアイフォン密輸の件は見逃せん」
「密輸じゃありません。正規ルート品です」
そう言って段ボールの中身を見せる艦長ちゃん。
「こ、これはiPhoneじゃなくてアイホン」
「そうよ。日本製だから壊れにくいのよ。閣下の玄関にも取り付けたらどうかしら?」
「今日の所は退散だ。だが忘れるな。今度の水泳大会には絶対に生で見学に来るからな!」
そう捨てゼリフを残して帰ってゆく閣下。
「お頭、今回もハッタリととんちで敵を倒しましたね」
「iphoneの密輸を誤魔化すため、アイホンも販売しておいて良かったわ」
数日後。
「あれ、閣下から荷物が届いてる」
艦長ちゃんが開けてみると、中には大量の抗ハブ毒血清。艦長ちゃん思わず涙ぐむ。
「閣下、次の中間選挙、絶対に共和党に投票します!」
ちなみに艦長ちゃんは選挙権は無い。
つづく




