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第6話 どうする……?

「お風呂先に行く?」


 二人で一緒に食器を洗いながら、俺は氷翠ひすいに聞いた。


「え? 一緒にお風呂入りたいの……?」

「なんでそうなった」

「そのー……、私は全然良いけどね?」

「いや、俺一緒に入りたいとか一言も言ってないんだけど……?」

「やっぱイヤ! 恥ずかしいよぉ……」


 氷翠は顔を真っ赤にして、恥ずかしそうに言った。


「あ、入るなら私先で良い?」

「おっけ、分かった。良いよ」

「ありがとう! ……絶対覗かないでね?」

「安心しろ。そもそも見たくねぇよ」

「とか言ってるけど、本当は見たいんでしょ?」


 からかうようにニヤニヤしながら、濡れた手で俺のほっぺたをツンツンしてきた。


「俺先に行くぞ?」

「え、ヤダ」

「なんでだよ。順番なんかどうでもよくね?」

「先に行かれるとゆっくりと落ち着いてれいの入浴シーン、覗けないじゃん」

「は、覗くなよ?」

「ヤダ」

「帰れ」

「ごめんなさい。見ません」


 俺が軽く脅すと、申し訳なさそうに下を向いてすぐに謝った。

 洗い物が終わると、氷翠はすぐに脱衣所へ向かって走っていった。


「ようやくゆっくりできるな……」


 そんなことを呟きながらソファーに座り、特に見たいものは無いがテレビをつけた。

 その時。


「ちょっと怜! デカイ蜘蛛くもがいる! 助けてぇ!」

「……俺蜘蛛苦手なんだよな」


 面倒に思いながらも、俺はテレビの横に置いてあったホコリの被った殺虫剤を手に取って、氷翠のもとへ向かった。


「……待てよ。今って服脱いでるのか……?」


 ふと、そんな事を考えてしまって、俺は脱衣所の扉の前でフリーズしてしまった。


「怜!? いるの!? いるなら早く来てぇ!」

「ちょっと待て。心の準備を……」

「早くっ!」

「よし」


 後でボコボコにされる覚悟が出来た俺は、勢い良く扉を開けた。


「…………」


 目の前では、まだ服を全く脱いでいない氷翠と、1cmぐらいの小さい蜘蛛が見つめ合っていた。


「はぁ……」


 俺は蜘蛛を退治して、ため息を付きながらすぐに部屋を出た。

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