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第5話 嫌な予感的中

 晩ごはんができたので、氷翠ひすいを呼びに自分の部屋へ向かった。


「氷翠〜、ご飯できたぞ。……って、おい、何やってるんだよ!」


 嫌な予感はしていたが、氷翠が俺の部屋を荒らしていた。本棚の近くは漫画や小説が散乱しており、机の上には文房具や、引き出しなどから出してきたと思われる古いおもちゃなどが山のように積まれていた。


「ん? え、れい⁉ ご……ごめん……」


 氷翠は慌てたような様子で、散らかった漫画や文房具などを片付け始めた。


「はぁ……。片付け終ったら来いよ」

「は、はーい……」


 俺はそのままリビングへ向かって先に晩ごはんを食べておこうと思ったが、慌てて自分の部屋に引き返してきた。


「まて、氷翠! お前に片付け任せたら不安しかない! 先にご飯食べてて良いからこの部屋から出ろ!」

「やってくれるの? ありがとう! でもご飯は一緒に食べたいから待ってるね!」


 氷翠はそう言うと、ベッドに座って俺の事眺め始めた。嬉しそうに少し笑いながら。


「あぁぁぁぁぁ! いちいちムカつくヤツだな! お前が散らかしたんだぞ、そんなどうでも良さそうな目で見るなよ!」

「なんかごめん……」


 そう言いながら、非常に申し訳なさそうにうつむいた。


「……はぁ。俺もご飯食べるからリビング行けよ」

「片付けは?」

「お前が帰ったらする。どうせまた散らかすだろ」

「え? 私今日帰らないよ?」

「……そうか。とりあえずご飯食べるぞ。冷めるから」

「うん!」


 そう元気よく返事を返すと、リビングへ走っていってしまった。


「おぉー、チャーハンですか。旨そうですなぁ」


 机に並べられた料理を見て氷翠は呟いた。


「それはどうも。とにかく早く食べてくれ」

「任せな。早食いは得意だぜ」

「喉詰まらせるなよ」


 俺は椅子に座りながら、もうスプーンを口に運んでいる氷翠に言った。


「もちろ……グフッ……」

「……大丈夫か!?」


 本当に喉を詰まらせてしまったようで、苦しそうに首の辺りをを押さえながら咳をしている。

 俺が背中をさすってやると、ちょうど抜けたようですぐに元気になった。


「し……死ぬかと思った……」

「気を付けろって言っただろ……」

「すみませんでした」

「あ、食器は自分で洗ってね」

「急……。まぁ、はい。了解しました」

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