第17話 告白
「絶対に言わないと……ダメか?」
「うん。当たり前じゃん」
「分かった。好きな人じゃないけど、気になる人で良いなら言うよ。その代わり氷翠も言えよ」
「え、えぇ!?」
俺は少し間を空けてから氷翠の事を見つめた。それから大きく深呼吸をする。
「俺は……氷翠の事が気になる……っていうか、好きだ」
そう言うと、氷翠は目を泳がせながらみるみるうちに顔を真っ赤にしていく。
「え、えっ……えぇ!? いやっ、そんな……」
「ほら、俺言ったんだから氷翠も言えよ。約束だろ?」
顔がだんだんと熱くなってきて鼓動も早くなってくる。それを誤魔化すようにからかいながら笑って言った。
すると氷翠は俯きながら何かを呟いた。声が小さすぎてハッキリ聞こえない。
「もっと大きい声で言ってくれないと聞こえないぞー」
「だから、私は! 怜が! 好き……です……」
「……え? ……マジで?」
そう問いかけると、氷翠は恥ずかしいそうに目を合わせないようにしながら首を縦に振った。それから言葉を続ける。
「だから……もしよかったら付き合ってください……」
「……うん」
俺が告白へ対する返事をすると、お互いに何を言えば良いのか分からなくなって沈黙が流れた。
「ふふっ……」
「えぇ……。どうした、急に笑って……」
「いや、何か面白かったからさぁ!」
今まで見たことないような満面の笑みを浮かべながらそう言った。
「……そうか」
「ねぇ、今日は一緒に寝ようよ」
「嫌だ」
「えぇぇ!? なんだ、残念。今日は行けると思ったのになぁ……」
俺の彼女はニヤニヤしながらこちらを見つめてくる。
「……じゃあ、今日だけな。一緒に寝るのは俺のリスクが高すぎるから嫌なんだけど」
「もし襲われたら学校で言い振らすから安心して!」
「やっぱり一緒に寝るのやめよう」
「ごめん、嘘! 一緒に寝たい……です」
氷翠なら本当に学校で言い振らしかねないので、なるべく一緒に寝たくない……いや、寝たくないと言えば嘘になるが、なるべくリスクは負いたくない。
まぁ、襲わなければ良いだけの話だが。
「じゃあ、ちょっと早いけど寝るか」
「うん」
氷翠は嬉しそうに返事をして、俺の部屋へ向かって走っていった。
部屋の電気を消して、二人で一緒にベッドに潜り込んだ。
暖かい。二人で寝るのも意外と悪くない。ただ一つ問題があるとすれば、氷翠の豊かな胸が当たる事だろうか。俺に抱き付くように眠ろうとしてくるので、どうしても触れてしまう。
「怜、おやすみ」
「う、うん。おやすみ……」
俺は彼女の事を気にしないようにするために、目を瞑って寝る体制に入った。
その時。耳元で氷翠が甘い声で囁いた。
「好き」
俺はその日、一睡も出来ずに次の日の朝を迎えた。




