第16話 許さない
「え……? ゲーム……?」
「何、嫌なの?」
「そういう訳じゃ……」
「まぁ、怜弱いもんね! ボコボコにされるのが怖いのか。じゃあ仕方無いなぁ。ゲーム以外で何かしよう」
ゲーム全般クソ雑魚なのは分かっているが、今はそういう事を言いたかったんじゃない。
俺はため息を付きながらリビングに戻った。
「ねぇ~、何かしようよ~」
氷翠はソファーに座って、足をバタバタと動かしながら暇そうに言ってくる。
「……あのさ、氷翠って好きな人いる?」
別に知りたい訳でも無いが、なんとなく聞いてみた。すると、氷翠は顔を少し赤く染めて両手で頬をおさえた。それから少し恥ずかしそうに話し始めた。
「ははぁ~ん。そういうことね。怜くんよ、バレバレだぞ?」
「いや、マジで普通に気になっただけだから」
「まぁ、教えてあげよう。そのかわり怜も教えてよ?」
「俺いない……いや、気になる人ならいる……かも」
そう言うと氷翠は普段以上に嬉しそうな顔をして、身を乗り出して顔を近づけてきた。
「ほうほう。誰なの?」
「言う訳無いだろ」
「人に聞いといて?」
「うぐっ……」
「まぁ、怜が教えてくれたら私はぜぇ~ったいに教えるよ!」
そう言いながらまたいつものようにほっぺを突つかれた。
「っ……。や、やめろよ」
何か嫌だった俺は、氷翠の柔らかいほっぺを突つき返してみた。すると、みるみるうちに顔を真っ赤にしていく。
「ひゃっ!? ななな、なによ! あ、ちがうっ……」
俺の手を振り払うと、両手で顔を隠すように覆った。
「……女の子に触れたんだから、怜が先に教えて」
「ごめんなさい」
「先に言うまで許さないから」




