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第13話 なんで?

「氷翠ちゃんって本当に家にいるの?」


 結衣ゆいは真剣な表情で俺の顔を見つめながら、少し悔しそうに聞いてきた。


「ねぇ、みんなが言ってる事って本当なの?」

「……うん。家にいるよ」


 正直に答えると一瞬驚いたような顔をしたが、すぐにいつもの何を考えているのか分からない顔に戻った。


「……そう。じゃあ用は済んだから私は帰るね」


 そう怒ったように言って軽く頭を下げると、走ってどこかへ行ってしまった。

 俺は結衣の後ろ姿が見えなくなったのを確認すると、考え事をしながら家に戻った。


「誰だったの?」


 リビングに戻ると、ソファーに寝転んでいた氷翠ひすいが興味深そうに聞いてきた。


「結衣」

「え!? 結衣ちゃん!?」

「そうだけど……?」

「何しに来たのよ」


 何故か不機嫌になって、俺と視線を合わせようとしなくなった。


「貸してたノート返しに来てくれたんだよ」

「本当にそれだけ?」

「そうだけど……」

「なんで結衣ちゃん、この家知ってるの?」


 今度は目を細めてじっとこちらを見つめて言ってきた。


 ……確かに。俺結衣に家の場所教えた覚え無いぞ。なんで知ってるんだ……?

 氷翠から質問され、また新しくそんな疑問が生まれてきた。


「知らん」

「そんなわけ無いでしょ!」

「いや、マジなんだが」


 俺は喉が渇いたので、面倒くさそうに言いながらコップにお茶を注いだ。


「……じゃあ一つ質問です。れいは結衣ちゃんの事好き?」


 急に恋愛に関する話題を振られ、飲もうとしていたお茶を吹きかけた。


「なんでそんな事聞くんだよ!」

「照れるなってぇ~。そんなに言うのが恥ずかしいの?」

「別に恥ずかしくなんか無いけど」

「なら教えてよ! 好きか好きじゃ無いかぐらい!」


 顔の前で両手を合わせて、拝むような形でお願いしてきた。


「じゃあさ、どうしてそんなに知りたいか教えてくれたら言うわ」

「なっ……ヒドい!」

「どこがだよ。言うだけだろ? あれ、もしかして恥ずかしいのか?」


 俺はからかうように、ニヤニヤと笑いながら氷翠に聞いてみた。すると、顔を真っ赤にしながら予想外の言葉を言われた。


「はっ……恥ずかしいよっ! だから……お願い。教えるだけ教えて……欲しいです」

「え、マジ?」


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