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第12話 美味しい!?

「お待たせしました!」


 そう言いながら氷翠ひすいは机の上に料理を置いた。

 いびつな形をしていて真っ黒に焦げたような、何か分からない塊がお皿に乗っている。


「えぇ……っと、コレは何ですか?」

「ん? ハンバーグだけど?」

「……コレが?」

「うん! 思ったより上手く出来たんだよ?」


 初めての料理なので、自分一人で作れたのが嬉しいのだろう。笑顔で笑いながら嬉しそうにこちらを見つめている。

 美味しそうじゃないからといって、さすがに食べないと言うのは食材にも氷翠にも悪い。


「いただきます……」


 俺は恐る恐る、一口サイズに切り取ったハンバーグの切れ端を口の中にそっと入れた。


「……あれ? 思ってたより美味しい……」


 黒い塊は見た目に反して美味しかった。少し味が濃いが、初めてでこれを作ったと考えたなら上出来だろう。


「本当に!? やったぁ!」


 氷翠は感想を聞いて、小さくガッツポーズをとりながら素直に喜んだ。


 ハンバーグを食べきった時、ちょうどインターホンが鳴った。


「誰だ? こんな時間に……」


 俺は少し不思議に思いながらも外に出てみた。

 扉を開けた目の前には、同じクラスの結衣ゆいがノートを抱えながら立っていた。


「え……? なんで結衣ゆいが……?」

「ノート……。借りたのを返しに来たの」


 そう言ってノートを手渡してきた。授業中、結衣が居眠りをしてしまって書いていなかった所を写させてあげたものだ。


「あぁ……ありがとう。別に明日でも良かったのに」

「ごめん……」

「いや、別に謝らなくても良いよ。それよりもう遅いし帰るのちょっと付いて行くよ」


 俺は懐中電灯を玄関にある棚から取り出てきて言った。


「ううん。大丈夫。その代わり一つだけ聞いても良い?」

「ん? どうした?」

「氷翠ちゃんって本当に家にいるの?」


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