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異世界カクゲーSPIRIT'sサイキョー伝説[↓↘→+s] ~知ってる?異世界って格ゲー無いんだぜ(絶望)……ハッ!無いなら作ればいいんじゃね(閃き)~  作者: 宮間
Round 8:闘技場ステージ

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180/236

180:空の爪、刃の嵐

俺、前世はニッポン人、名前はロック!(転生者あいさつ)




さて、アゼリア叔母(カサンドラさん)と決闘中。


まずは先手を(ゆず)って、連撃『南風(みなみかぜ)四波(しなみ)』を完封!

それから派生攻撃の防御破壊『追衝(ついしょう)秘剣(ひけん)』も、中断パンチ(中パンでペチ止め)


最初は俺をナメまくってた、本家道場の天才叔母(おば)さん(多分、剣術Lv(レベル)65!?)も歯ぎしり状態。



「うそだろっ、こんな簡単にぃ……!」



動揺から、(つば)()()いが完全に力押し。

俺より剣術Lv(ぎりょう)が5も高いし、体格差もある(身長40cmくらい高い)から、筋力で押しつぶす。

大正解の選択肢だが ──



(── 相手が、俺じゃなければ、な!)



『押し負けて、体勢が崩れた!』と思わせるように、踏ん張っていた足の力を抜く。



「フゥッ、これで! ──」「── (あめ)えっ」



相手が攻勢に出ようと、前傾姿勢で息巻いた瞬間、自力詠唱(『チリン!』)


魔法の術式で、体勢を強制的に上下反転。

最近出番の多い、逆立ち体勢での蹴り上げ吹っ飛ばし ──

 ── 特殊技【(じょ)の三段目:(はら)い】の変化系だ!


(※ 格闘ゲームなら →+[K]

 ヒット時に ↑ 追加入力でエリアル始動に変化)



「カハッ、なにぃっ」



さすがに、魔剣士名門<帝国八流派>直系。

とっさに<霊青銅(アニマロイ)>模造剣で防ぐ。


しかし、上向きの運動エネルギーだけはどうしようもない。

重力から()()がされ、上空10mまで急上昇。



「【仮称(かしょう)()ね・強化】っ」



逆立ちジャンプ(超・れっ■だ~ん)の体勢で、自力詠唱(『チリン!』)


またも体勢を強制的に変更して、さらに魔法効果で強制的に着地。

伏地体勢(しゃがみ)から超ジャンプ空中追跡(ついせき)を開始。


(※ 格闘ゲームなら →→+[P]

 敵浮かし技(アッパー系)のヒット直後は、空中コンボに変化する)



「ヒュゥッ! ──」「── なんだコイツはァッ!!?」



上空へ跳ね上げた相手(オバさん)に追いつく、上昇斬撃。

さすがにそれは防がれたが、これは所詮(しょせん)、必殺技未満(・・)の特殊攻撃。


── 本命は次からだ、と自力詠唱(『チリン!』)



「【秘剣・木枯(こがらし)】!」「あぁっ、う・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あっ、このぉっ!!」



上昇しながら上向きに、秒間20発の連続突き。


(※ 格闘ゲームなら 空中で[P]連打)



── しかし、相手も()(もの)

さすがは、推定・剣術Lv(レベル)65!(俺よりLv(レベル)5は腕利(うでき)き!)

ほぼ全刺突(つき)が、(はじ)かれる。



(おい! 空中の不安定な体勢なのに、20連撃を迎撃すんなやっ

 ── ()がりなりも『本家道場の天才』かよ!?)



ちょっと悔しいので、さらに追い撃ちを自力詠唱(『チリン!』)



「俺の防御破壊も受けてみろ! 【秘剣・三日月(みかづき)弐ノ太刀(にのたち)禍ツ月(まがつつき)】っ」


「お前ェッ! 無茶苦茶(むちゃくちゃ)だろォッ!?」



半泣き叔母(カサンドラ)さんは、<霊青銅(アニマロイ)>模造剣で抑え込むように必死に防御。


俺が上向きに放撃(ブッパ)した魔力刃ドリルが、ガリガリガガガガガァ……ッ!と火花を散らし、相手を少しずつ上空へ押し上げる。


(※ 格闘ゲームなら 空中で ↓↙←+[P]

 [弱P]/[中P]/[強P]で飛び道具の軌道(きどう)が変化する)



── そんな、ゆっくり(・・・・)系の飛び道具(ミカヅキ)で『ゆっくり(・・・・)してってね!』(吹笑(ププッ)!)してもらっているウチに、空中離脱。


『チ・チリン!』と2連続でオリジナル魔法を自力発動させて、再度、空中を高速飛翔。



「こっ、のぉ~~!! ── ガァ……ッ」



ようやく【禍ツ月(ドリル)】から解放された、涙目叔母(カサンドラ)さん。

怒り心頭(しんとう)で、空中接近した俺の幻像(ニセモノ)をブッタ斬り、衝撃波魔法を至近距離で()らって盛大に()()ぶ。


── そう、自爆式の囮幻像(デコイ)、【秘剣・散華(ちりばな)弐ノ太刀(にのたち)徒華(あだばな)】だ。


(※ 格闘ゲームなら → ↘↓+ [K]

 いわゆる『変わり身の術』の反撃系、攻撃を受けると爆発)



「もう一丁(いっちょ)ぉっ!」「── グハァ……!」



相手が空中吹っ飛びした先へ、高速旋回の飛翔突進系・【秘剣・速翼(はやぶさ)弐ノ太刀(にのたち)乙鳥返(つばめがえ)し】で回り込み、追撃の叩き落とし。


(※ 格闘ゲームなら ↓↙←→ + [K]

 相手の背後へ回り込む系の空中移動攻撃)



庭の真ん中にある、やたら広くて深い池へと叩き込む。


ドバーン!と水しぶきが上がった所へ、ダメ押しの終撃(ラスト)自力詠唱(『チリン!』)



「【秘剣・陰牢(かげろう):弐ノ太刀・影鋒刺(かげほうし)】!」


(※ 格闘ゲームなら ←タメ後→+ [P]

 [弱P]/[中P]/[強P]で落ちてくる位置が変化する)



高強度の黒い三角錐(さんかくすい)が、上空から降ってきてダウン追撃。

俺が親指をブチ()ろす背後で、ドボォ~ン!と、もう一度ハデな水しぶきが上がった。





▲ ▽ ▲ ▽



「見たか! このエリアル・コンボの密度!

 ウヒョォ~~! 俺がレーワのドラゴンク■ウだぁ!!」



空中!

空中での7連コンボ!

しかも、一気にHP10割もってく、反則級の『即死コンボ』!



(いやぁ~、【木枯】(20連ツキ)まで堅調に防御されたから、途中どうなるか焦っちゃったけどぉ……

 カッコつけて空中コンボやったのに、全部防がれて無傷(ノーダメ)とか目も当てられないしなぁ)



しかし、コンボ1発でちゃんとK.O.(ノックアウト)できた。

さすがに身動き取れない状態でタコ殴りだと、俺より剣術Lv(ぎりょう)が上の魔剣士でも、手も足もでないらしい。



「── う、うわぁぁ……っ

 お、お師匠さん、大丈夫!

 ねえ、死んでない、ねえって!?」



カイお姉さんが血相変えて駆け寄っていき、池にザブザブ入って気絶叔母(カサンドラ)さんを回収している。



── 『お、おい、クルス……?』

── 『空中で……なんか、無茶苦茶な動きをしたぞ』

── 『カ、カサンドラ様は、序列席次4位(ナンバー・フォー)だぞっ』

── 『あんな、一瞬で……うそだろ』

── 『な、なんなんだ、アイツは……っ』


さっきまでニヤニヤ笑ってた本家道場の大人達が、そろって青ざめた顔。



── すると急に、引きつり笑いみたいな大声が響いてきた。



『── ヒィヒィッ、ヒィ~ぃぃッ!

 あ、アレこそが新世代の(・・・・)魔剣士の(・・・・)先駆け(・・・)ぇッ!』



異様な声に、俺含めた全員がギョッとして振り向く。

<封剣流>の当主であり、アゼリアの祖父だった。



『ルドルフの(やつ)めが探し当てた、後続(こうぞく)のための“道標(みちしるべ)” !

 コレ(・・)が、そうかぁッ!?』



顔の上半分は、烈火の怒りと目を細めて、釣り上げている。

だが、顔の下半分は、ダランとアゴ関節が外れたように垂れ下がり、舌を長く出して(うごめ)かしている。


憤怒と狂喜が複雑に()()じって、メチャクチャになっている。

そんな異様な声と、正気を逸したような顔面の老剣士。



「よ、妖怪かよ、このジジイ……っ」



さすがに俺も、ちょっと気圧されてしまう。

さっきまでの、『ロクデなしの人情なしジジイめ、ブチのめす!』という気迫が抜けてしまう。



『もっとだぁ!

 もっと、見せよぉ!

 “神々から(たまわ)った子” としての異才(・・)と最新鋭の魔剣士の技ぁ!!

 この<帝国八流派>最古<封剣流>当主ベニートに、しかと見せてみよぉッ!!』



妖怪ジジイが、訓練用模造剣らしき<正剣>(フォーマル)を抜き放ち、片手に下げて前に進み出る。


本来なら止める役目だろう門弟達も、『ご当主さま』の狂乱じみた言動に気圧されて、一歩後ずさる程。



ジジイ並の達人級の立ち姿!

腕前は最低でも、腰痛の剣帝(ジジイ)と同等以上!

── つまりは、剣術Lv70以上!?という、圧倒的な強者!!


俺は、そんな老練(ろうれん)の達人に気圧されないように、心火(いかり)を燃え上がらせる。





── ででっでっでっでっ・でぇ~ん!

── おに(Here )いちゃ(Comes )ん  あ(A New)らわるっ(Challenger)!?





「── 上等(ジョートー)ぉッ!

 不憫(ふびん)なリアちゃんを、まるで(かえり)みなかったクソジジイが!

 その『(まご)不孝(ふこう)』の(バツ)を今日ここでくれてやるぅッ!!」





▲ ▽ ▲ ▽




── 『カン!』と拍子木(ひょうしぎ)のような音。


アゼリアの祖父・ベニートが【特級・身体強化】の<魔導具(うでわ)>を起動して、青っぽい<正剣>(フォーマル)模造剣を片手で八相(ななめ)に構える。



「どれ。

 大口を叩くだけの腕があるか、まずは見てやろうかっ」



そう言い終わる瞬間には、すでに俺の目の前まで迫っていた。



(── 速い!?

 しかも動作の滑らかさが、さっきの叔母(カサンドラ)さんとは段違い(ダンチ)!)



先制攻撃するつもりが、一瞬の(すき)に逆に攻め込まれてしまう。



「カァ~ッ!! ──」「── チ……ッ」



アゼリア祖父(ベニート)が、破裂音じみた気迫の大声量と同時に繰り出してきたのは、上段の3連撃!

俺は、すぐさま防御用オリジナル魔法【序の三段目:()め】を自力詠唱(『チリン!』)



(<封剣流>基本連撃『方風(かたかぜ)』のひとつ、『東風(ひがしかぜ)七鳴(なな)り』か……っ!)



カン・カ・カッ!と、片手で叩き潰すような1撃の後に、側面狙いの2連撃 ──

 ── その3発目の斬撃が、シャァ……ンッと防御した模造剣(ラセツ丸)の表面をすべるように、逆手で引き抜かれ(・・・・・)る。

 つまり、斬撃の右手から、刺突の左手への、瞬時の切り替え(スイッチ)


途端に、疾駆型(スピード)を極めた特級魔剣士の、二の腕の筋力が爆発!

カカカァン!と、疾風のような左手3連刺突(づき)


そして、ガァー……ン!と警鐘(けいしょう)のドラでもブッ叩いたような音は、左手刺突(つき)柄頭(つかがしら)を右手で押し込む、変則の両手刺突(つき)



(── このジジイ、クソやべえ!

 念のために、【序の一段目:()ち】の非殺(ナマクラ)モードで剣身を魔法保護(コーティング)してなかったら、愛剣・ラセツ丸に穴が開いてたレベルだぞ!)



「なるほど。

 その模造剣は、見た目通りの鋼鉄製ではないのかっ」



どこか楽しげに分析する、アゼリア祖父(ベニート)



「くぅ……ッ」



俺は、気圧(けお)され一歩退(しりぞ)こうとして ──

 ── ギリギリで、その場に踏みとどまる。


いやむしろ、一歩進み出た。



「……ほう?」



俺の内心を見抜いたのか、アゼリア祖父は面白そうに片目の目尻(めじり)を上げる。



「ハハッ、()い覚悟だ、ルドルフの小僧め!

 ── だったらワシも、少し本気を出してやろうかァッ!!」



速剣使いらしく、真っ直ぐに背筋を伸ばし身軽そうに立っていた老剣士が、重心を落として左右に足を開き踏みしめる。

長身のジジイがズッシリと構える姿は、樹齢数百年の大樹のようだ。


それが、片手で剣を振りかぶる。



「ヒュゥー……!」



繰り出されたのは、<封剣流>の妙技(みょうぎ)連環(れんかん)剣』 ──

 ── 無限に続くと思えるような、刃の嵐が吹き荒れた。





▲ ▽ ▲ ▽



ガ・ガ・ガ・ガ・ガ・ガ……ッ!と特級の超人(マケンシ)が繰り出す、嵐のような速剣の連撃。

マシンガンみたいな音を響かせ、秒間3~4回は左右往復する袈裟(ななめ)斬撃。



(クソがぁ……!)



それを必死に防御しながら、内心悪態をつく。


すでに2回、防御用オリジナル魔法【序の三段目:()め】を起動している。

── アゼリア祖父(このジジイ)と戦い始めて2回、ではない。

── この嵐の連撃『連環(れんかん)剣』を受け始めて2回、だ。


そして、そろそろ3回目の起動が必要な時間だ。


俺の特殊技は、全て効果時間10秒だ。



(つまり、すでに(・・・)20秒(・・・)近い高速連撃か!)



いくら魔剣士が超人だからって、いくら<封剣流>が歴史ある名門流派だって、程が(・・)ある(・・)



── 『おいおい……いつまで続くんだ、これ……?』



<封剣流>道場生の誰かが漏らしたボヤキが聞こえてくる。



本当に、いつまで続くのか受け手(コッチ)が聞きたいくらいだ……っ!


チラ見したアゼリア祖父のシワだらけの顔は、さすがに真っ赤に染まっているが、だがまだ余裕がありそうだ。



(下手すりゃ、無呼吸で(・・・・)30秒間の全力速剣!?

 いくら何でも受けきれんぞ、そんな(・・・)もん(・・)!!)



この嵐の連撃『連環(れんかん)剣』は、見た目としては単調な技だ。

左右からの撃剣を、ひたすら繰り返すだけ。

相手の防御が崩れるまで根性勝負、みたいな脳筋技だ。


だが、その術理は簡単ではない。


さっきの、変則刺突(しとつ)七鳴(なな)り』と同じように、片手持ち左右の瞬間的な持ち替え(スイッチ)

そして、横8文字(むしろ『∞』(ムゲン)文字か?)で延々と斬りつけながらも、決して相手に反撃を許さない、(たく)みな剣捌(けんさば)き。


そもそも、身体の基礎能力が高い事が最低条件。


さらに、【特級・身体強化】の魔法効果による超スピードを完全に制御できなければ、むしろ自分を斬ってしまう危険性もある。


── つまり、天性の才能だけでは成り立たない、努力の(・・・)剣技(・・)



(だったら、いよいよお前にゃ負けられねーんだよ!

 この才能なしの弱者(ザコ)で、努力と工夫だけで乗り切ってきた『魔剣士失格(ナマクラ剣士)』はなぁッ!!)



俺だって、呼吸が苦しい。

息がしたい。

なんで、陸上で酸欠にならなきゃならんのか!


しかし、息継(いきつ)ぎしようものなら、わずかに筋力がゆるむ(・・・)

その一瞬の弛緩(しかん)が命取りになる、今はそういう(・・・・)勝負の最中だ!


だから、こんな理不尽状況への怒りを、熱に変え、活力(エネルギー)()え。

左右から絶え間なく襲い来る、この速剣の暴風(あらし)を、ひたすら叩き落とし続ける。



(── 俺の護るべき者(アゼリア=ミラー)

 今こそ兄弟子(にいちゃん)に、妹弟子(おまえ)(まも)れる気力(ちから)をくれぇ……ッ!!)



それは、一種のトランス状態だったのだろう。

酸欠の脳みそは、余計な事を考える余力を失っていた。

すでに、両手はシビれて感覚がなく、握力すらあやしい。


なにより、絶え間ない連撃に、行動を単調(マンネリ)化されていた。



不意打ちに、ガ・ガ・ガ・ガ・ガ・ガッ ── シャァ……ン!と、愛剣・ラセツ丸の剣身が『()いた』。



「── あ、アレ……?」



右・左・右・左 ── と繰り返し振った、防御の剣が空を切る。

慌てて正面を見れば、アゼリア祖父は一歩、大きく後退(バックジャンプ)


酸欠寸前で真っ赤を通り越し、赤黒い顔色がニヤリと笑う。



「── ヒュゥ……ッ」



不吉なまでの、吸気(いき)の音!



(やべえ! 酸素、吸え! 頭、回せ! よく、見ろ!

 終撃(シメ)の絶技がくるぞ、すぐ備えろ!!)



自分自身に(かつ)を入れるのと、相手の攻撃の始動と、どっちが早かったか ──

 ── 特級魔剣士が、疾風の速さで飛び込んでくる!!



「── ガ……、グゥ……ッ!」



グアァン!と、防御の衝撃が、全身を揺さぶる。


老剣士と<正剣>(フォーマル)が、一本の槍と化した。

そう錯覚するような、速力と剛撃の、飛び込み刺突(つき)


真っ向からの攻撃とはいえ、防げた事すら奇跡的 ──

 ── そこで、再度、老剣士の気迫が爆発!



「カァ~ッ!! ──」「── なにぃっ」



アゼリア祖父の左足が上がり、一歩(・・)踏み(・・)込んだ(・・・)


── ゴォンッ!!と快音。

ほとんど、大金槌の一撃。


<封剣流>が対人戦の秘中の秘、『追衝(ついしょう)秘剣(ひけん)』。


それが、飛び込み刺突(つき)からの追い撃ち、として炸裂。



「ガ……、アッ……クッ……、ハァッ」



天地が、グルグルと不規則に回る。

俺は、どうやらハデに吹っ飛ばされ、砂利の地面をバウンドしたらしい。


頭も肩も背も腰も足も、あちこちが熱くて痛い。



「── 立てよ、ルドルフの小僧!

 まだ終わりでは、ないのだろうっ!?」



その声の主を(にら)()けながら、なんとか身を起こす。


黒髪が8割近く白くなった、シワだらけの老剣士 ──

 ── それが、10歳か20歳か若返ったかのように、活力に満ちていた。


!作者注釈!


2024/06/09訂正 誤『西風の七鳴り』 → 正『東風の七鳴り』

 西風は『三砂』でした。

 自分で設定した事を忘れてるとか、もうね(苦笑)


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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です。 ロックがオバサン相手に往年のマヴカプみたいなエリアルコンボ(ダウン追い討ちつき)を決めたぜ!第三部!完ッ!……ってなるかと思ったら、頭のネジがスっ飛んで色々キレッキレ…
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