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異世界カクゲーSPIRIT'sサイキョー伝説[↓↘→+s] ~知ってる?異世界って格ゲー無いんだぜ(絶望)……ハッ!無いなら作ればいいんじゃね(閃き)~  作者: 宮間
Round 7.5:特設ステージ(ボス戦)

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161:チュートリアルは大事

俺、前世はニッポン人、名前はロック!(転生者あいさつ)




今日の午後から、『爆弾持ち(ボマー)』とかいう特殊な魔物退治の予定。


なので、生徒さんに念入りに指導をしているワケだが ──



「── ……あ、あの~、少年?

 さすがに、ちょっと無理があるのでは……?」



引きつった顔で、メガネ青年(ナンバーツー)が何か言ってくる。



「いやいや、この程度の(・・・・・)()らしくらい、やっておかないと。

 逆に、(あぶ)なっかしくて連れて行けないだろう?」


「………………いや。

 しかし、これでは実戦の前に大怪我(けが)しませんか?」



メガネが指す方を見ると、半泣きで魔法連射している赤毛少女(メグ)



『うわぁ! ああぁぁ! ロックのバッカヤロォォォ~~~!』


『ちょっと年下先輩! まだ盾が! 俺がまだ、魔物につかまってるんですがっ!?』



ちょっとドガン!ドガン!連射しすぎで、火炎魔法の爆発に士官学生男子(オズワルド)が巻き込まれかけている。

呆れてため息(クソワロタ)



『うわぁ、熱い! 熱い熱いぃ~~!』


『あんな非常識なヤツにノコノコついてきた、ワタシがバカだったぁぁ!』



ほぼほぼ『上司の悪口叫びながら、バッティングセンターやってる人』な状況。

あ、前世ニッポン風に言うと、って事だが。


ストレス発散の雑撃ち(ブッパ)のせいで、命中率は半々くらいだが。



「おお、元気元気!

 ── 『元気があればァ、何でも出来るゥ!』ってヤツだな!」



指導役(コーチ)としては、その『気持ち』の入り方に、感心カンシン。


つまり『いつ何時(なんどき)、誰の挑戦でも受けるッ!』って気合い十分の構えかな?

どうですかァー!?(ボンバヘッ)



「ええぇ……っ、感想それだけかよ?」

「うわ~、この子、ヤバイ子だわ……」

「……なるほど。 我が同胞(トモ)に平然と斬りかかる訳か」



角付き鉄兜(ヘルム)の他の連中にも、なんか白目でみられちゃう。


多分、ウチの生徒さん3人がワーワーギャーギャー、いつまでも魔物と遊んで(・・・)いる(・・)せいなんだが。



「これだけデカい魔物は初めてで、ビックリしてんのか……?

 昨日の<土鬼>(ボーナスゲーム)ちゃんとは、普通にやりあってたのに……?」



── 昨日の<土鬼>(ウルク)、身長3m弱。

── この小柄な(・・・)跳岳大狗(ワイルドファング)>、体高3m強。


ほら、な。

だいたい(・・・・)同じ(・・)



(なら問題ないな。

 ── ヨシッ!)



危険作業の指さし確認、完了。

今日もご安全に!!


すると、いつの間にか横に来たメガネ青年(ナンバーツー)に、ため息をつかれる。



「<巴環許し(中級)>になったばかりの若手魔剣士を、<土鬼(ウルク)>と戦わせる?

 さらに、3人がかりで<跳岳大狗(ワイルドファング)>……?

 鬼ですか、貴方は……っ」


「………………」



(お前ら『人食いの怪物(マン・イーター)』とか、ガラの(・・・)悪い(・・)PT(パーティ)(めい)してるくせに。

 やけに良識的というか、心配性というか……)



「まあ、大丈夫ダイジョーブ。

 ジブン、(生徒さん達を充分に)鍛えてますからァッ!(キリッ)」


「……いや、貴方自身を基準にするのは、止めた方がいいですよ?」



いや、俺も生徒さん3人の話をしてるんだが、一応な。


── そんな話をしていると、ホンワカお姉さん(ナンバーファイブ)も横に来る。

プルンプルンに豊かなお胸の前で両手を組んで、おねだりみたいなポーズ。



配下の方(・・・・)の訓練も、そろそろ良いのではありませんかぁ~?

 わたくし、貴方の勇姿をぉ、間近で拝見したいわぁ~」


「………………」



普通なら、おだて(・・・)に乗ってホイホイ言う事を聞いちゃう俺だが(なにせ、相手はお胸がスゴい系女子!)。

しかし、今朝の『拠点:倉庫街(バックヤード)』でやられた『テロ未遂(みすい)な一件』がひっかかって、薄ら寒い気分。



(── このスゲー美人さんって、アレだよな。

 出会(であ)(がしら)にブッ殺しにくるあたり、まさに『あの鉄塊男(ガ■ツもどき)()!』って感じ……)



血は争えんなー、と微妙に納得。





▲ ▽ ▲ ▽



そんな感じで、10分ほど、ジタバタジタバタしている生徒さん3人をながめている。



『ぐわぁ! クソォっ、盾がまるで役にたたんっ』


『ウソウソウソぉ! コッチきたっ ── 年上後輩、パス!』


『ええぇっ、ちょ、ちょっと年下先輩~、背中押さないでよぉっ』


『うるさい、アンタも魔剣士なんでしょ! 立ち向かってよぉっ、役目でしょ!?』


相棒(オズ)! 相棒(オズ)! 早くっ! わたしひとりじゃム~リ~!』



だが、ちょっとラチが明かない感じ。



(せっかく昼食後の運動として、コォーフォ-ッ銀河戦争(ス★ーウォーズ)もどき ──

 ── ミス、『骸骨被り(スカルヘルム)』と一緒に、さっきの群れからハグレて生き残ってた『負け犬(クソザコ)』を捕まえてきたのに……)



── あ、ちなみに『負け犬』というのは、魔物の群れによく居る最弱個体(・・・・)


働きが悪い『戦力外(おちこぼれ)』、群れの一員に認めてもらえない『残飯あさり(ハイエナ)』。

しかし、緊急時(強い魔物に襲われた時とか)には『生け贄(オトリ)』になるので、追い払われないで済んでるヤツ。



(── つまり、文字通りの『負け犬』なワケだ。

 実際にデカいワンちゃん(・・・・・)の群れだけに!(ひとり笑(ププッ!)))



この『負け犬』ちゃん、体高5mほどが標準体型の<跳岳大狗>(ワイルドファング)なのに、体高3mチョイ(・・・)しかないので、ほぼお子さま(・・・・)(あつか)いなんだろう。



肋骨(ろっこつ)()いてて攻撃が軽いし、狩り(たたかい)もヘタだし。

 そんなクソ雑魚(ザコ)魔物と、弱腰で闘わなくてもイイんじゃね?)



魔物退治に必須な『何が何でもブッ殺す』という気迫が足りなさすぎて、ちょっと(あたま)(かか)えちゃう。

3人の尻を蹴っ飛ばしたくなるのを、必死にガマン。



「本当の本当に、手を出さなくて大丈夫なんですか……?」


「いや、大丈夫だろう?

 うん、多分……」



メガネ青年(ナンバーツー)に、くどい(・・・)ぐらい確認されて、ちょっと不安になりもするが。

すると、城壁の下から、赤毛少女(メグ)がブンブン両手を振って自己主張。



『ロックぅ! ロックってばぁ! 絶対ムリじゃない、これぇ!』


「いやいや、メグって。

 大丈夫だって、考えてみろって。

 1年前に俺たち5人で始末した、あの<六脚轢亀(デカいカメ)>に比べたら全然ヨユー。

 アイツとか、たいぶん脅威力5だぞ。

 コイツとか脅威力3、1段どころか2段下だろ?」


『ロックのバッカヤローぉ! 全然なぐさめにもならないんだけどぉ~~!』



赤毛少女、涙目。


しかし、キャーキャー逃げながらも、なんとか『カン!』『カン!』魔法で支援。

そろそろ慣れてきたのか、狙いが安定してきた。

火炎魔法が8割程度はちゃんと命中している。


チョコマカ動き続けて、安全な位置まで逃げられている。

さらに、隙を見て魔法攻撃でズドン!ズドン!と魔物の巨体を揺らしているあたり、約1年前からは格段の進歩だ。



── おかげで、ついに魔物(テキ)のスタミナが切れ始める!


魔物がジャンプ回避をしくじり、足を滑らせるダウン。

するとメグは、すぐに側面に回り込み、充分に距離をとって構える。



『この犬っコロぉ~~!

 何回もガウガウ、ガウガウかじろうとしてくれたわねぇ~~!』



ドォン、ドォン、ドォン、ドォン……!

赤毛少女が、両手持ち(ダブル)短導杖(ワンド)>で、下級の火炎魔法を連射。


前に本人(メグ)が言ってた通りだ。

魔力操作の能力上昇(ステータス・アップ)は、どうやら<魔導具>(マジックアイテム)を使用する時にも影響するっぽい。


命中率は95%くらい。

しかも一点集中ができている。


そのダウン時の連射攻撃が効いたのか、魔法をくらいながら起き上がる魔物の足取りは、フラつき気味。



── だから、とっさの噛みつき攻撃さえも、中途半端な勢い。


駆け寄る士官男子学生(オズワルド)は、その(すき)を見逃さない。



『いつまでも! 貴様の好きにさせるかぁっ』



さっきから何度も<跳岳大狗>(ワイルドファング)にかみつかれ、攻防の邪魔になってきた馬上盾(カイトシールド)くらいの小盾(たて)

それ(・・)を、魔物の大口に突っ込んで『つっかえ棒』代わりにする。



『このぉっ! ()(いぬ)なんかに、力負けするもんかっ』



さらに、すぐに盾から左腕を抜き、背負い用の革帯(バンド)を両手で持ち、体重をかける。

まるで、乗馬の手綱(たずな)のようにグイグイ引っ張り、魔物の動きを制御。



『よ~し、相棒(オズ)! そのまま、口をふさいでてっ』



女子生徒(マチルダ)が、魔物の後脚をザシュ!と斬りつけた。



『ギャィィン!』



不意打ちの後脚への痛撃に、魔物が悲鳴をあげる。





▲ ▽ ▲ ▽



『いけるわ、相棒(オズ)っ』

『ああ、このチャンスに追撃だ!』



魔物の巨体に圧倒されてた、士官学生コンビの動きが、ようやくマシになる。


回避を主とした動きで、(すき)を見て反撃。

盾の防御は、万が一の保険。


それが、俺がここ数ヶ月で叩き込んだ『()大型魔物(・・・・)の立ち回り』。


士官学生2人とも流派の都合なのか、盾で受けてその隙に斬るという、小型魔物相手の戦法が染みついていた。

それでも上位の魔剣士になると、中型魔物を相手にしても力負けしないので、悪い戦法ではない。

ただ、大型魔物を相手にすると、10人以上で重装甲じゃないと、効果の無い戦法になってくる。



── ちなみに、この異世界の魔物の大別はこんな感じ。


人間より小さな体格は『小型魔物』で、脅威力1~2。

人間(なみ)から荷車(だい)くらいまでが『中型魔物』で、脅威力2~3。

小屋とか納屋(なや)とか以上にデカいヤツが『大型魔物』で、脅威力3~4。


これより上に『超大型』とか『巨大型』とかあるらしいが、俺も基準がよく分からんので説明をはぶく。


それで『毒持ち』とか『飛行型』とか厄介な特性を持っていると、脅威力が『+1』される感じ。

あ、あと、金髪貴公子(ヒョロいイケメン)と一緒に討伐した『異常個体』みたいなヤツとかも。



── そんな事を考えている内に、アレよアレよと、魔物の四本の脚から出血が増えてくる。

動きの素早い魔物は、まずは脚をツブすという、常套手段(セオリー)


敵が出血と痛みで、どんどん弱体化するので、どんどん有利になる。


2人とも、<跳岳大狗>(ワイルドファング)の得意技『大ジャンプして前脚で踏み潰し』を、ヒラリとかわす。

さらに追撃の噛みつき攻撃まで、しっかり回避できている。



『いける! いけるぞ!』

『まさか、本当に指輪を使わないで、ヤれるなんてっ』



だから、その後の反撃が間に合う。

そして、俺が散々やらせた『足場の悪い状況』、『片足しか接地してない状況』での素振り訓練。

その『姿勢維持筋肉(インナーマッスル)』強化で、どんな姿勢でも斬撃軌道(スイング)が安定する。


(おかげで、【序の一段目:()ち】の<魔導具(ゆびわ)>を使って(・・・)ない(・・)のに、魔物の丈夫な毛皮と筋肉に刃が通る(・・・・)、ってワケだ)



『年上後輩たち、やるじゃない!

 これ、本当に勝っちゃいそうよ、わたしたちっ』



魔物がガムシャラに暴れて手が付けられない時は、魔剣士2人は素早く退避。

そして、入れ替わりに魔導師(メグ)が<短導杖(ワンド)>両手持ちの火炎魔法を連打。



ズドドドドドン!と、爆炎が無数に弾ける。



(で、魔法が(・・・)使えて(・・・)頭の良い(・・・・)魔物は、当然、防御態勢を取る。

 つまり、身動きを取らなくなり、意識を魔法使用に集中する状況 ──

 ── 接近戦の大チャンス到来だ!)



『ハアァァ!』『セヤァァァ!』



すぐに魔物の死角に回り込んだ、男子生徒(オズワルド)女子生徒(マチルダ)

魔剣士2人が、爆炎の煙を引き裂くような、渾身の斬撃!


片方はザシュン!と、胴体から血を飛沫(しぶ)かせ。

もう片方はズガン!と、前脚を深く斬り裂き、骨までも(けず)った。




▲ ▽ ▲ ▽



── 『ガゥガゥガゥッ!』と、怒った<跳岳大狗(ワンちゃん)>大暴れ。


── 『キャッ』『グワァッ』と、接近戦してた魔剣士の男女コンビが避けきれずに、吹っ飛ばされる。



『だったら魔法で!』



支援役のメグが、すぐさま両手持ち(ダブル)短導杖(ワンド)>を構える。


しかし一瞬早く、『ゴォーン!』と魔物特有の魔法起動音。

ザンザンザンザン……!と無数の土砂魔法の槍が生えてきて、魔物を取り囲む。

即席の防壁だ。



『ああ、このぉっ』



メグが連射した下級火炎魔法は、ズ・ド・ドン!との土砂魔法の槍に当たって破裂。

おしくも、魔物本体には爆炎が届いてない。




『キィィィィイイイイ……ッ、……──』



<跳岳大狗>(ワイルド・ファング)が遠吠えの体勢で、女性の金切り声みたいな絶叫。

それに合わせて、背中に生えた角みたいな結晶体が、七色に輝き始める。



(おぉ~……

 横から見てたらこんな感じなのか、あの自爆攻撃……)



そんな事を考えながらも、右手薬指の指輪に偽装した<法輪(リング)>を解放(リリース)



『やべえ!』『自爆(ボム)だっ』『おい、学生たち逃げろっ』



周囲の冒険者たちもザワザワし始める。



『トンデモない魔法(ヤツ)がくるぞ!』『早くコッチに上がれ!』『死ぬぞ、お前らっ』



騎士らしき重装甲のオッサン達が、慌てて縄ばしごを投げ下ろして、生徒さん3人にブンブン手招き。

しかし残念、もう間に合わない!



『ィギャァッ……── ギャィィン!?』



なので、指導者(オレ)が緊急出動して、ズダァァン!


本日2回目の出番のオリジナル魔法【秘剣・速翼(はやぶさ)参ノ太刀(さんのたち)水深(みさご)】。

猛禽類(もうきんるい)みたいな急降下攻撃で、遠吠え体勢の魔物の長鼻(マズル)をブン殴ったワケだ。



「はい、お前ら『1死(ワンデス)』な?」



模造剣(ラセツ丸)負け犬魔物(チビなワンちゃん)を殴り倒して、地面に着地。

愛剣を肩にポンポンしながら、講義を続ける。



「こんな感じで、ピンチになると広範囲の自爆攻撃してくるのが、『爆弾持ち(ボマー)』って魔物(ヤツ)



話ながら、生徒さん3人に取り上げ(・・・・)ていた(・・・)<魔導具>(マジックアイテム)を投げ渡す。



「なので、こうやって(・・・・・)自爆(ボム)の発動を邪魔するか。

 あるいは、使う(・・)間もなく(・・・・)斬り殺すか。

 じゃあ、次は『斬り殺す』方でいってみよう?」


「あ、はい……」「うぅ……」「え、ええ……」



まだ防御の構えのまま、おっかなビックリしている、生徒さん3人。


しかし、<跳岳大狗(ワンちゃん)>が『何すんじゃゴラァー!?』と立ち上がると、3人ともすぐに気合いが入る。



「おー、良い反応!

 ガンバレがんばれー」



城壁の壁際まで移動して、見守り態勢の俺。

後は、昨日と同じパターン。


士官学生2人が食い止めてる間に、赤毛少女が三重詠唱を準備。

強化版<松明(トーチ)>の目くらまし(・・・・・)で魔物がひるめば、魔法付与(エンチャント)【序の一段目:()ち】で切れ味アップした魔剣士の2人が、骨すら切り刻む。


見学していたA級冒険者たちも、『おぉ~』『3人で倒した』『なんて学生だ』とか手放(てばな)しで()めてた。



(これで『素人さん3人』を同行させても、誰も文句言わないだろっ?)



だいたい、指導者(オレ)の狙い通り。

つまり、完璧(パーペキ)な結末だった。





▲ ▽ ▲ ▽



そんなワケで、問題なく同行が認められた、俺たち4人。

6人PT(パーティ)という、極少人数(・・・・)の『人食いの怪物(マンイーター)』とセット扱いになったらしい。


足したら丁度10人になるからね。



「少年、見えてきたぞっ」



荷車の屋根の覗き穴から、シカ角鉄兜(ヘルム)の長身オッサンが手招き。

俺は、木箱を組み合わせた簡易階段を上って、屋根上(ルーフ)に出る。



「どれどれ」



時速40~50kmの走行中の風圧に身をかがめ、昼の日のまぶしさに目を細める。



「あれが、特殊な魔物『爆弾持ち(ボマー)』を生み出す魔の領域。

 <瘴竜圏>(ドラゴンフォール)だ」



シカ角鉄兜(ナンバースリー)が指差す先には、森をくりぬいたような大規模伐採の跡。

直径1~2kmありそうな円形の伐採跡、その中心にそびえる高さ20~30mの小山。


それが、今回の騒動の発端である100m(・・・・)級の(・・)魔物の(・・・)死骸(・・)

つまり、トンデモない(・・・・・・)魔力を(・・・)残した(・・・)腐肉(ふにく)の小山だ。



「そして、その周辺にそびえるアレが、『門番』の住処(すみか) ──

 ── つまり、『農耕種(ファーマー)』とも呼ばれる巨大な虫型魔物の営巣(えいそう)だ」



巨大死骸の周辺に林立する、森の樹木とは明らかに違う、植物らしき物。

前世ニッポンの4~5階建ての雑居ビル(つまり15~20m)くらいはある、巨大なキノコらしき物が無数に生えてた。



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