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145/223

145:重要、キャラデザ問題!

!作者注釈!

2023/07/07 前の話(144話)と構成の一部を変更。

念のため、前話後半をもう一回読んでおいてください。



俺、前世はニッポン人、名前はロック!(転生者あいさつ)




次の部屋のドアを開けようとした瞬間、ガチャリッと内側から開いた。



「── 衛兵の方ですか!?

 よかった、助けてくださいっ」



飛び出してきたのは、キノコ髪型(へアー)がやたら似合う美男子(イケメン)

女性の(・・・)バイトリーダーに笑顔を振りまくあたり、いかにも(・・・・)だ。

顔面偏差値(ルックス)を最大活用して、世間を上手く渡ってきた感がバシバシする。



(というか、このクソダサ髪型(ヘアー)

 自分の美形(イケメン)っぷりに自信があるヤツ専用のファッションだよな……っ)



つまり、キモイ野郎が真似しようものなら、とても見てらんない事になる。

万が一許されるとしたら、お笑い芸人(コメディアン)だけ。


そういう、美形(イケメン)ご披露(・チャレンジ)みたいな物。

『見て見てー、ボクってこんなダサい髪型してても美形(イケメン)なんスよぉ?』

とかいう感じの、ウザい自虐風の自慢(アピール)だ。



(うわ! ブッ(コロ)してぇ~~!)



そんな気分で、女性バイトリーダーとのやり取りを眺めている俺。



「士官学校を抜け出して、友達と()みに来ていたら、急にこんな事にっ」


「そうですか、大変でした ── ねぇ!」



バイトリーダーが最後の『ねぇ!』で自力詠唱(『チリン!』)

ドガン!と顔面向けて衝撃波魔法を不意打ち。


どうも彼女も、自虐風の美形(イケメン)アピール野郎に、イラッ☆としたみたい。



「おおぉっと、アブねーー!」



しかし、ムカつく事に、キノコ髪型(へアー)は超人の運動神経で、後方回転な回避。

そうコイツ、実は魔剣士で【身体強化】を発動していた ──

 ── 背中をドアにくっつけていたから、魔法陣が隠されていたワケだ。



「ギャハハッ、失敗してんじゃねーか!」

「だっせー!」

「『次はオレにまかせろ』って言って、コレかよっ」

「じゃあ、次はオレの番な?」



薄暗い部屋の中では、応接室みたいなソファーに座ってた仲間が大爆笑。

キノコ髪型(ヘアー)含めて男子5人全員が、同じような制服姿でダラケている。


そして、全員が魔法陣を背負っていた。



「……チッ。

 士官学校の学生が、帝国を守る魔剣士の見習い(タマゴ)たちが、敵国の工作員(スパイ)を手引きですか。

 長年の平穏による腐敗は、(なげ)かわしいばかりですねっ」



バイトリーダーは、仮面の下で舌打ちしながら、そんな事をぼやく。



(── ……ん?

 さっきの学生の、自虐風の自慢(アピール)がウザくて、ツッコミ代わりに攻撃魔法を雑撃ち(ブッパ)したんじゃなかったのか……?)



一瞬、バイトリーダーの感性に親近感を感じたんだが、ぬか喜びだったらしい。

俺が軽く消沈していると、



「これだけ返り血(・・・)(にお)いをさせておいて、今さら(だま)そうなんて、ふざけていますね?

 部下の(・・・)(あだ)()たせてもらいますよっ」





▲ ▽ ▲ ▽



バイトリーダーは全身から怒気を(にじ)ませ、ひとりでカツカツと応接間っぽい部屋の中に入っていく。


すると不意に、天井に張り付いていた伏兵が落下。



「権力のイヌめ! 死ねぇ~~!!」



不意打ちの落下斬撃は、ガン!と床材(ゆかざい)石畳(いしだたみ)に弾かれた。

バイトリーダーは急に石畳(いしだたみ)に寝転がり、伏兵の着地した足下にくっついて首斬りをギリギリ回避。



「クッ、このっ」



伏兵のボウズ頭は<正剣>(フォーマル)逆手(さかて)に握り直し、転倒(ダウン)追撃(ついげき)()()し攻撃。

しかし、バイトリーダーは逆手(さかて)刺突(ツキ)<正剣>(フォーマル)と入れ替わるように飛び起き、伏兵の側面へ移動。



「てめー!?」「── ……フッ!」



バイトリーダーが掌底(しょうてい)を突き出す。

鋭い呼気に、ズン……ッ!と石畳(いしだたみ)を震わす踏み込みの音。

その達人の風格がある流れる動作は、大木槌(ハンマー)の一撃を想像させる!


その掌底打は、『未強化(なまみ)』の人間だったら胃液を吐いてるような、悶絶(もんぜつ)級の威力。


しかし、バイトリーダーも、俺と同じで背中に(・・・)魔法陣(・・・)がない(・・・)

つまり、魔剣士ではない。


だから(・・・)、超人である魔剣士には ──

 ── 特に防御の硬い【剛力型(パワー)】には、簡単に片腕で防御される。



「ナメやがっ ── ゴフォ!」



<正剣>(フォーマル)をもう片方の手で振り上げ、反撃しようとしたボウズ頭の学生が吹っ飛んだ。

打撃直後のズドン!という音に、わずかに『チリン!』という鈴の音(・・・)が混じった。



(おおぉ~……っ

 拳術打撃が防がれた保険(フォロー)に、衝撃波魔法(アタックラム)を使うのか。

 初めて見るタイプの戦闘方法だな……)



前世ニッポンのRPG(ゲーム)的な分類をすれば、『殴り魔法使い』みたいな特殊な戦闘型(ビルド)なのだろう。


ちょっと感心しちゃう。

その腕前も。



(チラッと見ただけでも、半端(ッパ)ない精密動作。

 俺のLv60剣術や、この前の『なんとか騎士(ナイト)』とかの卑怯技(チート)カギ爪2刀流の(ジェノ■イドカッ■ー)連撃(もどき)』でも、無手(ブキなし)さばき(・・・)そうな拳術Lv(ぎりょう)

 もしや、拳術(・・)Lv70越え ── いや、もはや80近いのか?)



技量がLv70とか、腰痛時の剣帝(ジジイ)みたいなモンだ。

さらに上のLv80とか、半分仙人みたいなモンだ。



(バイトリーダーって、無手(ブキなし)の殴り合いなら、当流派(ウチ)剣帝(ジジイ)にも勝っちゃうんじゃね……?)



── あの、『抜群の才能と素質があって、さらに地獄のよう実戦をひとり数十年、心身と魂を削り(・・)上げた(・・・)当流派(ウチ)の最強無敵ジジイに!?



そんな想像に、ちょっと鳥肌。


剣術もそうだが、技量なんてLv50を境に、めっきり上がらなくなる。

ハッキリ言えば、そこから先は努力じゃどうにもならない、才能の領域みたいなモンだ。

技量Lv70とかLv80とか、才能あふれる人間が、半世紀(50年)くらい人生かけて、ようやく手が届く境地。



(まあ、才能が(・・・)まるでない(・・・・・)俺は(・・)、イカサマみたいな訓練でムリヤリ『剣術Lv60(中の上)』まで上げたけど……)



凡人が普通に訓練したら『Lv50 → 60(たった+Lv10)』だけでも、数十年かかってもおかしくない。



剣帝流(ウチ)超天才児(リアちゃん)も、最近ようやく剣術Lv55近くに上達してきたくらいだし……)



となると、バイトリーダーはよっぽどの超々天才か。

あるいは、仮面の下の素顔が、本当に仙人みたいな老女(バア)ちゃんでもおかしくない。



(声の感じからしたら、20代前半みたいな若々しさだけど。

 本当に前世世界の女仙人(お伽噺(フィクション))みたいに若返ってたりして?)



── え、スゴ腕な老婆(バアちゃん)が、若返る?


豪■寺の一族かな?

キャラデザインはムラタレン■かな?





▲ ▽ ▲ ▽



俺がそんな事を考えていると、キノコ髪型(ヘアー)が舌打ち。



「バカヤロウ、不意打ちの時に叫ぶからだっ」



するとバイトリーダーは失笑。



「いいえ、貴方たちのお陰ですよ。

 魔剣士は魔物に対抗するため、3人組(・・・)が基本。

 まさに教科書どおりの布陣、5人だと(・・・・)1人(・・)足りません(・・・・・)

 さすがは士官学校の学生さん達です、成績優秀ですばらしい(・・・・・)ですね?」


「……ハッ。

 まあな、俺たちは特別に、アニキが『入れ墨(タトゥー)』を入れてくれたからよっ」



1人がそう言うと、一斉に不良っぽい男子学生5人が腕まくり。

この前のヤツが見せつけてきた『炎マーク』と同じデザインの、『白っぽい入れ墨(タトゥー)』を見せつけてくる。



「知ってっか? コイツは『自由の紋章(・・)』なんだ」

「奴隷の身分から、実力を認めさせ、自由を手に入れた『無敵の紋章(・・)』!」

「テメーら権力にシッポ振ってるダセー連中には、一生手に入らねー『自由の紋章(クンショウ)』サッ」

「オレたちはアニキと一緒に、この腐った帝国(セカイ)をブッ壊す!」

「皇帝も、貴族も、<帝国八流派>も! くだらねーモン全部燃やしちまう『白い炎』だッ!」



(うわぁ~~っ、革命の闘士さんだ、カッコイイなぁー(笑)

 うわぁ~~っ、お(そろ)いの『入れ墨(タトゥー)』なんて、反社会勢力(ハンシャ)準構成員(したっぱ)みたいでアコガれちゃうなー(呆))



そんな白々した気持ちで眺めていると、横からも失笑の吐息。

バイトリーダーが一歩前に出る。



「……貴方たち、入れ墨(それ)が『本当はなんなのか(・・・・・)』知らないんですか?」


「あん……?」


「『炎罪(ゲヘナ)の民』の『烙印(タトゥー)』は、3種類が確認されています。

 母体となる集団、北大陸西方に居住する民族の証明、集う火として『赤の炎』。

 神王国の工作員としての証明、飛散した火の粉として『金の炎』。

 ── この2種類は、特殊な色素(しきそ)を使う事で、強く(こす)らなければ浮かび上がらないという特徴があります。

 当然ですよね、彼らは出自を(・・・)隠したい(・・・・)のですから。

 故郷の帝国でも、移民先の神王国(・・・)でも(・・・)寄港(きこう)藩王国(・・・)でも(・・)、『炎罪(ゲヘナ)の民』だなんて知られ(・・・)たくは(・・・)ない(・・)


「……で?」


「では、その浮かび上がらない、隠せない『烙印(タトゥー)』とは何か。

 『白い炎』なんかじゃない、それ燃えた後の灰の色ですよ。

 燃え上がった炎の残滓(ざんし)、煙幕がわりに投げ捨てられる燃えカス、それが『灰の烙印(タトゥー)』。

 貴方たちは、アニキいう人物を(した)っているようですが、結局は、舌のよく回る詐欺師(さぎし)にいいようにされてる捨て(ゴマ)

 それが貴方たちの、裏切りの代価ですよ」



バイトリーダーは、失笑しながら告げる。



『革命軍に仲間入りと思ったら、実は使い捨て(ニクのタテ)だった!?』

という感じなのね、なるほど……


さすがは『正義の革命軍さん(笑)』、異世界バージョンでもロクな事しねーな(呆)。



(前世ニッポンの『うっかり共産国で美女とご宿泊(エッチ)したら実はスパイで、出世した後に写真や映像でおどされる』って(アレ)を思い出すな……

 いや、内容からすると『CI▲(デッカい国)が敵国を崩壊させるため反政府ゲリラ育ててる』みたいな話なのか?)



どっちにせよ、敵国の不良学生をスカウトして即戦力(テロリスト)に育成しても、最後まで面倒みるワケねーよな。

むしろ『敵国の裏切り者を連れて帰ってどうするんだ?』って感じだろうし、どこかで『処分』されるのは時間の問題……。



(まあ、理想に燃える学生さん達には『衝撃の事実!?』という感じのはず……

 怒り狂うか、まるで信じないか、反応は二択だろうな)



そんなワケで、一応、激昂(げっこう)された時の迎撃準備しておく。



── しかし、相手の反応は、なんだかイマイチ。

怒るワケでも、笑い飛ばすワケでもない。


キノコ髪型(ヘアー)が目配りすると、他4人も苦笑い(・・・)しながら立ち上がった。



「……フ~ン、で、なんだっていうんだ?」

「芸人みたいな仮面かぶって、小難しい事をブツブツ言いやがって、なんなんだよ?」

「実家の連中や教官どもみたいに、オレをコマ扱いしやがって……チッ、イヤになるぜっ」

「そんな風だから滅ぶんだよ、この間違った帝国(セカイ)はなっ」

「しかし、初対面のオンナから『カス呼ばわり』はムカつくなっ」

「オレたちを裏切り者って言うのは仕方ねーが、アニキを悪く言うのは許せねーっ」



その気にしてないような、どこか余裕がある態度に、俺は『ンン~?』と首を(かし)げて ──

── ある可能性に気付いて、ちょっとガックリきた。


そして、呆れながらバイトリーダーへ進言する。



「── あ~……、ちょっといい、バイトリーダー?」


「なんです?」


「バカ相手には『キミは実にバカだな!』とハッキリ言ってやらないと、解んないみたいよ?

 ホントに頭悪いから、ちょっと難しい言葉とか、持って回った言い方をすると、なんか勘違いしてるっぽいよ?」


「……は?」


「── というワケでぇ~~!

 バイトリーダーが奇襲くらわなかったのは、お前らがバカなせいでしたぁ~!

 あとお前らはバカすぎて、敵にダマされてるだけなんですぅ~!

 バーカ、バーカ!」



俺は手本として、舌をベロベロしながら叫ぶ。



「なに言ってんだ、このガキ!」

「アニキがオレをダマすワケねーだろ!」

「バカにしてんのか!」

「上等だ、ジゴクみせてやる!」

「2人ともブッコロス!」



士官学校の、どうも落ちこぼれらしい不良学生5人は、ようやく怒りに火が()いた。


それを見て、バイトリーダーは2度3度うなづく。



「……なるほど、挑発に(・・・)引っか(・・・)からな(・・・)かった(・・・)のは、話が理解できていなかっただけですか。

 相手の知能(レベル)に合わせるなら、小さな子供相手くらいの、解りやすい話をしないといけなかったのですね……

 ……ひとつ勉強になりました」





▲ ▽ ▲ ▽



怒りのまま、無造作に突っ込んでくる、士官学校の不良(ヤンキー)さんが2人。

まずは、バイトリーダーが狙われる。



「魔法は使わせねぇよ!」「<四環許し(上級魔剣士)>が『未強化(なまみ)』に負けるかっ」



片方は、壁を蹴って側面から飛んでくる、足下狙いの低空横斬り。

もう片方は、天井まで跳ね上がった落下斬撃。



「甘いっ」



バイトリーダーは空中を舞うような体術でかわしつつ、<正剣>(フォーマル)2刃(ふたつ)を両手の手甲(グローブ)(こう)でいなす。

すると、挟み撃ちしようとした不良2人は、勢いのまま仲間同士で衝突。



「── ガッ」「クソぉッ」



敵2人は、男同士で抱き合うような体勢で転がる。

バイトリーダーは容赦なく下級魔法を自力詠唱(『チリン!』)、衝撃波がズドン!とまとめて追撃。


あっと言う間に、2人制圧。

バイトリーダー1人で、もう戦果3人だ。


── なので、残りは俺が引き受ける事にする。



「チィッ」「だったら、魔法だっ」「くらえっ」



残り3人の学生が壁際に固まり、<正剣>(フォーマル)を構えて柄をイジり始めた。

魔法攻撃の一斉発射だろう。



「── チ……ッ」



少し迷って、室外に退避するバイトリーダー。

それを入れ替わりに、俺が突進。



「バカが!」「くたばれ!」「死ね!」



『カン!』×3人の機巧発動(ギミック)で一斉に放たれる、衝撃波魔法【撃衝角(アタックラム)】 ──

── それを、自力詠唱(『チリン!』)×3点発動(両手と舌先)の【撃衝角(アタックラム)】で迎え撃つ。



ズドドドン!と下級の衝撃波6個がぶつかり合い、全て相殺(そうさい)する大爆音!



「── やったか!」



しかも、暗い室内なので、勘違いして負けフラグを立てるバカまで居る始末。



「── 【秘剣・木枯(こがらし)】っ」



第2の必殺技を解放(リリース)

『チリン!』と鳴ると同時に、秒間20発の高速連撃。

壁際で逃げ場のないバカ学生3人まとめて、ズドドドド……!とタコ殴り(フルボッコ)



「ガァ……!?」「ゴォ……ッ」「な、ギャァ……!」



どうも1番使い手だったらしいキノコ髪型(ヘアー)は、とっさに<正剣>(フォーマル)で迎撃しようとしたらしい。

だが、振り上げた剣が背後の壁に当たって体勢を崩すという、クソダサ行動(ムーブ)のまま必殺技に沈んだ。



(イヤァッホォ~!

 ウザいイケメンに(あか)(ぱじ)かかせてやったぜ~~!)



デュフデュフッ、コポォ……ッ

これにはモテない女顔男児(カマオちゃん)も気分ルンルンですゼェ~?(粘着笑顔(ニチャァッ)





▲ ▽ ▲ ▽



とっさに室外に退避したバイトリーダーが、戻ってきて呆れ声。



「……いま……なにか……?

 貴方、おかしな魔法の使い方しませんでした?」



うん?

おかしな魔法の使い方?


── もしかして: 必殺技の事?



「魔剣士になれなかった俺なりの、工夫(くふう)だよ工夫(くふう)


「いや……、三重詠唱(さっきの)が『工夫』のひと言で済む問題ですか……?」



なんか壁に向かって、ひとりブツブツ言っているバイトリーダー。



(この人も、なんか(ひと)(ごと)が多いよな……

 職場(ウチ)室長(チーフ)みたいに、過去に何かあって孤立(ボッチ)なのかな?)



そう思いながらも、腰の袋(ポーチ)から小瓶(こびん)を1本抜いて、投げ渡す。



「── それよりバイトリーダー、ホイっ」


「……何です、これ?」



仮面の小柄女性は、壁を向いたままろくに振り返らず、気配だけで小瓶(こびん)をキャッチ。

まさに仙人みたいな超絶反応だ。



「安物の<回復薬(ポーション)>。

 さすがに生爪(なまづめ)割れたまま(・・・・・)じゃ、やりにくいだろ?」


「……鮫皮(さめがわ)防刃(ぼうじん)手袋(グローブ)の下を、透視(とうし)でもできるんですか、貴方は?」



何故か、振り返って、ジッと見てくる。

仮面だから表情が解らないけど、何となく(にら)まれているような気配。



「いやいや……っ

 そんなに魔法発動の起点(きてん)肉体(からだ)ギリギリ(・・・・)にしたら、どんな達人でもケガするだろ?」



俺もその手の(・・・・)ポカ(・・)を何回もやったから、気をつかっただけなのに。



(俺って、バイトリーダーに嫌われてるんだろうな……

 なんか、やたら態度(アタリ)がキツいし……)



「……ン……ゥンっ」



リアル女仙人疑惑のバイトリーダーが、壁の方を向いて仮面をずらし、安物<回復薬(ポーション)>(混ぜ物なし!どノーマル)を一気飲み。


うっすら見える横顔をチラ見していると、衝撃の事実が判明。



(なんかスゴい艶っぽい(セクシー)なタラコ唇してんなぁ~。

 意外と『清楚(せいそ)系』よりも『妖艶(ようえん)系』寄りだよな……

 アレ……、もしや人物造形(キャラデザ)ムラタ氏ではない?

 ── ひょっとしたら、テラダ御大かっ!?)



マジかよ!?

バーチャ2かよ!

それもアツいな!!



(あるいは、ツカサ■ュン(戦国弾幕の人)とか、シンキ■ウ(ガロウの人)とかぁ……っ!?)



前世ニッポンでは、業務用の販促(はんそく)ポスターをゲーセンからもらって(店舗によっては使用済みポスターを『お持ち帰り自由』って丸めて置いてくれてた)、部屋の天井にいっぱい張ってたんだよなぁ~。



── ちなみに前世の俺(オッサン)は、コタニ■モユキ(K.●.F.中期の人)が『最推し(G.O.D.)』でした。



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