表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界カクゲーSPIRIT'sサイキョー伝説[↓↘→+s] ~知ってる?異世界って格ゲー無いんだぜ(絶望)……ハッ!無いなら作ればいいんじゃね(閃き)~  作者: 宮間
Round 6:帝都ステージ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

134/236

134:直結厨

ツイッター凍結されたので、マストドンに移行しました。

更新予告 https://pawoo.net/@kan_miyama

俺、前世はニッポン人、名前はロック!(転生者あいさつ)




知り合いっぽいスパイを助けたら、覆面の黒装束(スパイ)に囲まれた。

しかも、周囲の連中、背中に魔法陣が浮いている。


どう見ても、『魔剣士 ×() 裏稼業(スパイ)』という、プロフェッショナル集団。



(俺、ただ、銭湯(フロ)入って、宿に帰ってただけなのに。

 どうして、こうなった……)



トホホな気分だが、戦闘準備はかかさない。

妹弟子(アゼリア)お友達(ペンパル)が、敵対組織に襲われている最中。

手助けしないワケにはいかないだろう、兄弟子(にいちゃん)として。



── チリン!チリン!チリン!チリン!、と自力詠唱(キャスト)遅延発現(ディレイ)


一対多の戦闘にとっても便利!

必殺技をストック&連続発動できる『必殺技連撃(スーパーコンボ)』だ。



しかし、この『遅延発現(ディレイ)』って小技(テク)、魔法に詳しくないと『魔法を焦って大☆失☆敗!』に見えるらしく、



『── ハハッ、慌てすぎだ』『魔法で逃れる気かっ』『プッ、緊張で自力詠唱(キャスト)を何度も失敗か』『フッ』『カカッ、哀れじゃのう』



なんか、やたら小馬鹿にされる。


まあ、それは良いんだけどね。

油断してくれる方が、少数側(こっち)としては、ありがたいから。



── でも、



『安心しろ、2人仲良くあの世行きだぜ』『無論、その前に全て情報を吐いてもらうがな!』『女2人、なかなかの上玉じゃ』『今晩は楽しめそうだなっ』『天国と地獄、両方とも味わわせてやろうっ』『カカッ、若さがよみがえるわい』



(……きっとコイツら、対立組織のスパイ的連中なんだろうが。

 言っている事が『反社会勢力(ハンシャ)』連中と変わらないんだが(呆)

 女の子(おんにゃのこ)女顔チビ(カマっぽいの)を見たら、チ●チ●勃起(おっき)する事しか考えられんのか(泣)……?)



スパイ!とかニンジャ!とかアサシン!とか影の軍団!とか陰の実■者になりたくて!とか。

そういう『闇に(まぎ)れて暗躍するのカッチョエエー!!』と中二病(チュウニズム)()えっちゃうオジサンとしては、色々悲しくなってしまう。



「こんなの……ただの『下半身直結中坊(ちょっけつチュウ)』じゃねえか……」



前世ニッポンでの、オンライン対戦の醜態(しゅうたい) ──

── 『相手が女性と解ったら急に連絡先交換しようとする性少年(おサルさん)』とか『女子学生と知ったら急にオゴリ始める社会人(オッサン)』とか思い出して、非常に憂鬱(ブルー)


そんな6フレーム(0.1セコンド)くらいの瞬間回想(フラッシュバック)で、容赦なくブチのめす決意が固まる。



「消えろ、スパイ(笑)ども!」



(あこが)れと思い出を汚す、半端者(カッコわらい)ども!


── まずは、ケガ人の少女スパイ(知人)に駆け寄る。



「つかまってろっ」


「はいぃ?」



そして、遅延発現(ディレイ)した必殺技を解放(リリース)

俺と少女スパイ(エルちゃん)が、フワッと夜の空に浮かび上がる。



── 初手、逃走!!





▲ ▽ ▲ ▽



しかし、周囲を囲む敵スパイ集団は、驚きも焦りもしない。



『予想済みだ!』『間抜けっ』『構えっ、撃て!』『カカッ、おろかじゃのう』『フン』『逃がすかよっ』



空中の2人に、投げナイフ、弩弓(ボウガン)の矢、<短導杖(ワンド)>から放たれた氷弾の初級魔法なんかが殺到する ──

── そして、何の抵抗もなくすり抜けた(・・・・・)



『── ん?』『なんだ』『手応えが……』『待て、一度攻撃を()めろ』『おかしい ── グホッ』『なっ!?』



さすがに対人戦のプロ、【秘剣・散華(げんえい)】にすぐに気付いたみたいだ。

なので、経験豊富そうな年寄り(ジジイ)っぽい声の主から撃破しておく。


秘剣・速翼(ひしょうこうげき)】(遅延発動2個目)でカチ上げて、空中でポイッ。

つまり『飛翔10m』+『3階建て約10m』=20mの落下。


年寄り(ジジイ)っぽい声の主は、『あ、あぁぁ~~!(ドップラー効果)』と落下して道路舗装でゴシャ!と快音。



── まあ、コイツらも腐ってもスパイ。

しかも魔剣士。


前世ニッポンの映画で見た英国スパイ#7(ジェー▲ス=ボ■ド)とか映画スパイ大■戦(ト▲=ク■ーズ)なら、『ヤレヤレ』のひと言で無事生還(せいかん)する程度の高さ(・・・・・)だ。

魔法強化済みスパイ(笑)(カッコわらい)なら、死んでないだろう。


多分、きっと。



『そ、即席の幻影魔法っ』『何だ、今の速さはぁ!?』『デタラメすぎる!』『散れっ、固まるな』『クッ』



敵スパイ連中がビビって、思わず密集(ダンゴ)になりそうになる。

そこに、リーダー格の渋い声が注意を飛ばす。



(……さすがにリーダー格はバカじゃないな。

 魔法みたいな遠距離戦対策は、散開・散兵が基本だよな)



そう考えながら、次の必殺技を空中で解放(リリース)

【秘剣・速翼(はやぶさ)弐ノ太刀(にのたち)乙鳥返つばめがえし】(遅延発動3個目)で、短距離を高速で旋回機動し、一番遠い敵の背後に回り込む。



『── なっ!?』



さすがは魔剣士スパイだけあって、反応が早い。

急降下の奇襲攻撃に、ギリギリ間に合わせてくる。

ギャリンと鉤爪(かぎづめ)みたいな手甲武器で、防御されてしまう。



── でも、無理な防御で態勢が崩れた。



「まだまだ!」


『── ガ……ッ!?』



だから(・・・)追撃の派生攻撃までは、防御できない。


さらなる空中旋回で側面に回り込み、回転払いでゴツン!と後頭部を一撃。

模造剣に頭蓋骨を痛打した、確かな手応え。



「これで2人、あと4人か……」



ドサッと倒れる音に背を向ける。



『バケモノめ……っ』『噂の“月下凄麗”ルナティック・ティアーの妹分か!?』『クソ、そんな切り札がっ』『先に“殺戮人形”(キリリング・ドール)()レっ』



2人連続撃破に腰が引けた敵スパイ集団は、ケガ人の乙女に殺到した。





▲▽▲▽



敵スパイの標的にされた、褐色少女エルちゃん。



「── ふぅッ、……うァっ

 た、タダでは()られまセーンっ」



肩の傷がふさがっても、体力は回復はイマイチなのか、整わない息でヨロヨロ立ち上がる。

逆手に構える<短剣(ナイフ)>が、プルプル震えているくらいの、体調不良っぽい。



好機(こうき)!』『(たた)みかけろっ』『同輩(どうはい)(あだ)()たせてもらう!』『()ったぁっ』


「クッ……」



きっと暗殺術みたいな、特殊な技法なんだろう。

身体強化した敵スパイ4人は、立体の影のようにスススゥー……ッと、音もなく距離を詰める。



── 妹弟子のお友達・エルちゃん、絶対絶命!?



「させるか!

 【秘剣・陰牢(かげろう)】っ」



設置型の斬撃(みえないやいば)!(遅延発動4個目)

必殺技連撃(スーパーコンボ)』の最後の必殺技(マホウ)解放(リリース)



── 『ギャアァッ』『クッ』『はぁ!?』『なんだ、これは!?』



高さ2mの透明な魔法の刃が6本、空中に現れてズガガンと落下して突き刺さる。

念のためケガ人(エルちゃん)の周囲に設置しておいた、即席の周辺防御柵だが、敵スパイは突然出現した障害(カゲロウ)に混乱。


うち1人はタイミング悪く、手の平を貫通され、苦痛に身をよじっている。



「この、『下半身直結中坊(チョッケツチュウ)』どもがぁ!

 うら若い乙女に、多勢に無勢でナニしやがる!?」



そう大事な妹弟子の、貴重な同世代お友達なのだ。

過保護な兄弟子(にいちゃん)がそのまま放っておく訳がない。


その隙だらけの下劣男(クズお)どもの背中に向けて、帝都魔導三院の研究論文のおかげで、術式を最適化できた超必殺技を自力発動(『チリン!』)



(いかり)ゲージ・MAX(マックス)ぅ!!

 ── ヌゥウウン、【ゼロ三日月(みかづき)乱舞(らんぶ)】ぅぅ!!」


『ゴォ!』『ゲへ!!』『グハァ!』『ギヒィ!!』



お仕置きとして、ゼロ距離の非殺バージョン【三日月(とびどうぐ)】で、タコ殴りにしておく。



── ズゴゴゴビシバシズダダダバコーン!(竜虎音)と。

軽く血を()くくらいに(ボコ)った。



あ、ほら、本職の裏稼業(スパイ)さんなんで。

不意打ちとか『やられたフリ(タヌキねいり)』とか得意そうだから、念には念を入れて、ね?



「── 成敗(せいばい)っ!」


「あ、相変わらず、人間離れしすぎデース……」



得意顔(ドヤァッ)仁王立(におうだ)ちしてたら、助けた相手からダメ出しを食らったんだが……。





▲ ▽ ▲ ▽



「なにはともあれ、助かったデース……」



褐色少女エルちゃんは、ようやく落ち着いた感じ。

肩から出血での目眩(めまい)状態と、改良<回復薬(ポーション)>の興奮作用&体力消耗からも、回復したらしい。



「何か、色々と理解できない理不尽を見た気がしマース」



何だか遠い目をしている。

せっかく助けたのに、(ひど)い言われよう。



「しかし、帝都は平和と思ってたら。

 意外と、こんな人目につかない所で暗闘が繰り広げられていたのか……」


「一般市民に察知されたら、裏稼業(スパイ)失格デース」


「でも、たまにこうやって、俺みたいに巻き込まれちゃうワケか……?」


人外(ジンガイ)の事は、ダレも想定してないデース……」


「── ん、今なんか言った?」



何か失礼な事を、小声でボソボソ言われた気がする。



「……何も言ってないデース」


「んじゃ、気のせいか……?」



そんな雑談をしながら、ボコった敵スパイ連中をしばり上げる。

あと、路地の石畳で気絶している老スパイを、『鋼糸(コウシ)使い』の技能(ワザ)で引っ張り上げる。



「異様に、手慣れてマース……」


「アハハ、最近ちょっと裏社会(ヤクザ)(ボコ)るのが健康習慣(ルーティーン)だからなぁ」


「………………トンデモない話を聞いてしまった、デース……」



エルちゃんが、何だか急に頭を抱え始めた。



(もしや、失血のせいで、まだちょっと体調悪いのかな?)



面倒事はノーセンキューだったので、このまま別れるつもりだったが。

体調悪い女子を、ひとり放置するのも、ちょっとアレだ。



「仕方ない、送っていくよ。

 家ってどっち?」


「いや、結構。遠慮しマース……」



エラいジト目で見られてしまう。

下心あるなコイツ……っ、みたいな勘違いをされているみたい。



(いやいや、妹弟子の貴重なお友達に、変な事なんかしないって……)



そりゃまあ、俺も今世(イマ)は脂ギッシュ若者(ヤング)身体(バディ)だが。

精神(ナカミ)は一応、落ち着いた中年(オッサン)なので。


むしろ前世も今世も『モテない男』としては、感情的(ナイーブ)年頃少女(オトメ)とか苦手意識しかない。

むしろ、おっかなくて(・・・・・・)、なるべくお近づきになりたくないくらい。

どこで大不評(ヒンシュク)くらって、陰口たたかれるかか解らないので。



── 『●●って、アンタの事が好きらしいわよぉ(笑)』


── 『イ~ヤァ~! キモ~~イ! ム~~リ~~!』


── 『そうよね~、いっぺん死んで生まれて変わってこいってカンジ(笑)』



みたいな話をうっかり聞いてしまった体験とか、陰キャ男子なら誰にでもあると思う。

下手すると、陰キャ女子もそういう苦渋を味わってるかもしれない。


陽キャの特権みたいなもんだろう、あの横暴でデリカシーのなさ。


それを見知っていると、どうも年頃の異性に苦手意識が芽生えちゃう。

だから(・・・)、恋愛射程外のお子様・オバさん・お婆さん辺りになると、ホッと安心して話せる。



(まあ、生まれ変わっても、不細工男(ブサメン)から女顔小男(カマっぽいの)と顔面偏差値は上がったかもしれんが、不快値(キモさ)平行移動だろう?

 実際に、相変わらず、まるで異性(おんな)受けしねーもんな……)



同性(おこと)からは、『カワイイ女子か!?』みたいな歓喜(キャッキャ)されるんだが……(それも(ツラ)い)。



(ぶっちゃけ。妹弟子(アゼリア)くらいだよな。

 こんな貧弱なチビに(なつ)いてくれる、貴重女子は……)



ちょっと、そんなマイナス思考に(かた)きかけたので、考え事を切り上げる。

感情や精神状態の自己操作。

これが出来る様になっただけでも、剣帝(ジジイ)の剣術修行に感謝だ。


前世の俺なら、闇の思考の沼に沈み込んで、貴重な時間をムダにしていた。



「ケガ人に変な事をしないって。

 そのくらいは信用してくれよ」


「いや、そういう話じゃないデース……」



エルちゃんに、話が通じなくて困った、みたいな顔をされてしまう。



── よくよく聞くと『スパイのアジトに部外者連れて行くのマズい』みたいな話だったらしい。



(勝手にエロい意味にとって、勝手に被害妄想で空回り言動とか……

 マジで恥ずかしいな……)



思わず赤面しちゃう。

ある意味、俺も『下半身直結中坊(ちょっけつチュウ)』だったって事か。


いやー、人の話はちゃんと聞かないとダメだね?

早合点(はやがてん)の空回りとか、思い込みで大失敗とか、前世からの悪いクセだ。



「で、アジトって所に、コイツらも運び込むの?

 それはさすがに、1人じゃムリじゃない?」


「……ええ、ちょっと悩んでマース……」



大人5人、魔剣士でもない少女が運べる人数じゃ無い。



なんか前、こんな事あったな。



(ああ、<翡翠領(グリンストン)>の北の森で、金髪貴公子(ヒョロ)と他国の工作員(スパイ)とか魔物とかを討伐(ボコ)った時か。

 そう言えば、コイツらも、顔立ちが連中に似ているな……)



マスクを引っ張り下ろして、スパイ連中の顔を見ていると、背後に寒気!



── すぐに、エルちゃんを脇に抱えて、転がり回避っ!!



まさに間一髪という感じで、ビュン!と風を切り裂く音が響く。



『ヒャッヒャッヒャッ!

 なんてガキだ!

 “月下凄麗”ルナティック・ティアー 以外に、こんなのが居るとはなっ』




── ででっでっでっでっ・でぇ~ん!

── ちょう(Here )せんし(Comes )ゃ  あ(A New )らわるっ(Challenger)!?




不意打ちの主は、熊みたいな体格の黒装束魔剣士だ。


黄金色の鉤爪(クロー)を見せつけながら、威圧の笑い声を上げていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ