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2話出会い(2)

直球な質問に戸惑う少女

「え、何でですか。いきなりそう言われても分からないのですが」


「元々は裕福な家出身でしょ。身に付けている服は汚れているけどラッシュシープのシルクで作られているし、色彩もオーロラグリーンという珍しい色だし、身を隠すように着ていたフードだってバッシュドウルフの革だ。全て庶民が買える物じゃない」


身に付けていた服の素材を言い当てたアジベルに驚いている。

「凄い。何で分かったんですか。あなたもしかしてファッションデザイナーですか?」


「いや、そういうのにちょっと詳しいだけ。おそらく君は何処かの国の女王だったが何かしらの理由で家に帰れなくなり、お金は持っていない。持っていたとしても使い切って困っていたとかじゃない」


「違いますよ。私はお嬢様とかではありません,。この服は親戚の付き合いで貰った者です。だから買ったものではありませんので」


そうなんだと笑顔で返すアジベル。どうでも良いことだが心の中では推測が外れて悔しがっていた。


「お腹いっぱいです」

「それはよかった。じゃあお会計はしておくから元気でね」

伝票を会計に持っていこうとしたとき少女が土下座してお礼を言ってきた。


「本当に助かりました。あなたのお陰で私は死なずにすみました。何かお礼をさせてください」


今まで自分達の話し合いに夢中になっていた客達が一斉にアジベル達の方を向いた。

「そういうのいいから。土下座はやめて。周りの人が見てるから」


他のお客同士はひそひそ話をしている。

聞き取れないが、表情からして悪口をいっていることは間違いない。

昔の漫画にあったような光景だ。


「いえ、恩を受けてなにも返さないなんて人として出来ません。私に出きることがあれば何でもします」

彼女は恩を返さない限り動きそうになかった。


アジベルに対する周りの目が冷たい。

「分かった。分かったから土下座はやめて顔を上げて。顔を下げたままじゃあ話が出来ないから」


「はい。分かりました」

土下座を止めて立ち上がった彼女を見て少しほっとする。


「とはいってもな。そうだお礼は体で払って貰ってもいいかな」

その言葉に少女は自分の胸を隠すような素振りをし、店全体が凍りつく。


「か、体ですか?それはその」

周りの客、特に女性客から顰蹙(ひんしゅく)な視線を浴びている。

こそこそ話も今回は最低な男という言葉がしっかり聞こえた。


「でも私にはそれしかないお返しが出来ないですよね。お礼は返さないといけないし、出来れば外じゃなくてホテルとかで避妊をしてください」


「あ、違うそういうわけじゃ」

「それと私初めてなので優しく・・・」


「ゴメン。言葉足らずだった。そういう意味でいった訳じゃないから誤解しないでくれ頼む。女性の方々そんな目で俺を見ないでくれ」


レストラン中にアジベルの叫びが響き渡った。


彼の言葉の意味はギルドに行って一緒のパーティーを組んでくれ、と言うことだったのだがレストラン内はアジベルにとって居心地が悪かった。

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