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存在しない者達のシリーズ

存在しない者達 ネットゲーム

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2020/11/06



 世の中には、クソゲーと言われているネットゲームがあるらしい。


 まじめにやってられないほど、ひどいゲーム。


 けれど、いる所にはいるもので、そんなクソゲーをするのを楽しみにしているやつがいるらしい。


 ある時俺は、その事を知った。


 それは、クラスで話題に出たゲームに興味を持った時の事だ。


 あまりにも盛り上がっていた物だから、たまたま暇な時に、自宅にあるパソコンでやってみる事にした。


 決して、気になって仕方がなかったわけではない。


 あくまでも、ひまだったからだ。


 で、実際にやってみた感想は、「やっぱりクソゲーはクソ」だった。


 やってみれば分かる


 動作は重たいし、キャラメイクは不自由だし、フィールドも狭い。

 アイテムの使い勝手は悪いし、グラフィックの作り込みも甘い。


 良い所を見つける方が難しい。


 けれど、ちょうど暇な飽き飽きしていた俺にとっては、そんなクソみたいなゲームがちょうどツボにはまったらしい。


 四苦八苦しながらも、何とかやりぬいていった。


 そんな風にどうにか工夫しながら、クエストをクリアしていくと、俺の様な奇特なプレイヤーと知り合う事があった。


 ネットゲーム限定の付き合い。


 俺は、心おきなくつきあった。


 別にリアルの学校生活になじめなかったから、とかじゃない。


 円滑にゲームをすすめるためには、ちょっとしたコミュニケーションも必要だろうとおもって、歩み寄ってみただけにすぎないのだ。


 だって、仮想世界での付き合いで本気になるなんて、馬鹿げてるし。


 だから、俺はそいつらに個人的な事は何も聞かずにいた。

 

 けれど、その付き合いは思っていたよりもずっと長く続いた。


 一か月経つ頃には、愛称で呼ぶようになり、三か月経つ頃には阿吽の呼吸でパーティープレーができるようになった。


 だから、クソゲーに挑む奇特な奴等と共に俺は、毎日学校帰りにゲームをする事になった。


 けれどある日、今までつきあっていた奴が唐突にゲームにログインしなくなってしまった。


 なぜ?


 理由を尋ねようとしても、俺はそいつらの個人情報をしらない。


 他に新しいクソゲーが出たからかもしれないし、たまたまそいつらに用事ができたからかもしれない。


 けれど、どんなに本当の理由を知りたいと思っても、俺は決してその理由を知る事ができない。


 ネットゲームの世界は、本来なら触れ合わなかった者達を一時的に繋げていたにすぎないのだ。


 元に戻っただけ。


 俺はゲームの事を忘れて、また退屈な日常に戻る事にした。


 あいつ等の事は忘れよう。


 覚えていたってしょうがない。


 胸の痛みを無視しながら、パソコンの電源を切る。


 最初から、クソゲーをやりこむ仲間なんて、俺には存在しなかった。

 そういう事にしておこう。



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