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光と闇のシンクロ  作者: 旭日 陽
第四章  邪霊来襲
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第36話 黒い怪物

八月に投稿する予定がもう九月やないか!!


邪霊来襲編㉓


(意識が遠のいていく⋯⋯)


紅太郎が殺された⋯⋯

殺された⋯⋯

殺された⋯⋯


紅太郎を中心に円形に血が広がっていく

花香に取り付いていた邪霊が

段々と蝕んでいく。



「ああああぁぁ!!」


紅太郎を殺された悲しみとそれを実行したバクラへの

憎しみが同時にあらわれ、頭の中で混ざり合う。

目の前のバクラを倒し、敵討ちを果たそうと

花香の身体は勝手に動いていた。


今まで自分を苦しめていた邪霊さえも力として

取り込んでいっている。<ガブリエル>が闇を吸収していた。


その、瞬間。

意識がふっと途切れると同時に。花香は何かに支配されるような

感覚がした。否、はじめからそのつもりだったのかもしれない。

自分から支配されることを選んだのかもしれない。

花香は意識が途切れる直前に誰かと戦っているような幻影をみた。









「まさか闇をも力に変えるとは⋯⋯オモシロイ」


バクラは変わり果てた花香を見て、高笑いしつつ興味を示した。


制服を着ていたはずであった花香は全身を黒い服で纏い、

右手には細剣を持ち、バクラに冷酷な目を向けたいた。

高校のクラスの人間など、花香を知る者は必ず別人というだろう。

それほどにみんなが知る相澤花香ではなくなっていた。


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」


花香は口を閉じたまま冷酷な視線だけをバクラに向けていた。

それに気づいたバクラは


「まぁ姿が変わろうと天使を行使してる以上、ワタシの敵だ」


バクラは両手を前に出し、アストラル・バーストを構える。

撃とうとしたその時、



ドカーン!!


バクラの目の前で爆発音⋯⋯いや、爆発が起こった。


「くっ!!」


飛び散った火花にバクラは怯む。

バクラが花香の方へ目を向けると、左手の人差し指から

煙が出ていた。

花香から火球が放たれた。


アイン。

左手で空気中の熱を指先に集めて圧縮し、対象の前で爆発させる。


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」


花香は煙を消し、細剣をバクラに向かって突き出した。

その姿は怪物そのものであった。


「小癪な!!」


そう言いつつ、バクラは天井に向かってアストラル・バーストを

放ち、塔の天井に穴をあけた。

そんなバクラに向かって花香は攻撃の手を緩めなかった。

左手に輪っかの形状をした光の刃を形成した。

バクラを目掛けて勢い良く投げた。


スティンガー・リング。

リングの形状をした光の刃。投げ技。


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」


「アタラナイヨ」


バクラは天井にあけた穴へ向かって回避した。が、


「!!」


花香はさっきまでバクラがいた位置に瞬時に移動し、

スティンガー・リングをキャッチ、バクラが逃げた方向へ

再び展開した。


「ぐぅはぁぁ!!」


スティンガー・リングはバクラの背中に命中し、

空中でふらついた。直ぐに仕切り直し、花香と対面する。


いつの間にか夜になり、夜景が広がる東京の上空に

二体の黒い影が出現した。影はお互いを睨み合い、

剣を相手に向けていた。


「ここでワタクシを倒し、何も変わりませんよ」


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」


「聞く耳持たずデスか。水月!!」


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯!!」


カキィィンン!!


静かな夜に激しく剣を交える音が響き渡る。

いつもなら敵であるダーク・ウィングであるバクラから襲い

かかってくるところだが、この対面は花香がバクラに猛攻を

仕掛けているように見える。

左から、上から、下から、その場に残像を残すほどのスピードで。

その光景は東京の夜景と一緒にチカチカと光っていた。

その猛攻をバクラはオルガの力を利用して捌ききった。

しかし、


カキ⋯⋯⋯⋯バキ!


バクラの水月にひびが入り、折れた。



「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯!!」


その隙に花香は左手に電撃を溜め、バクラを地に

叩き落とした。


ドカーン!!


塔からすごい勢いで瓦礫の破片が飛び散る。

その様子を花香は顔色を一切変えずに見ていた。


デン・ショット

電撃を一点に集中させ、その圧力を以て相手を吹っ飛ばす。


花香はバクラが落ちた塔の最上階へ戻ってきた。

瓦礫の山からバクラが姿を表す。


「コウタロウクンに真の力を引き出すだけの材料としかあなたを

 見てませんでしたが思い出しました」


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」


「あなた⋯⋯⋯⋯五年前見ました。コウタロウクンと一緒に」


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」


「アサシンエースに追い掛け回されていましたよね」


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」


「大好きなコウタロウクンを失うとここまで覚醒するなんて」


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯!!」


「あなたを恐怖で包み込んでヤリマスヨ」


バクラは両手を前に出し、邪霊の集合体を形成した。

そしてそれが大きくなるにつれて、実体を見せていった。

右手には大鎌、左手には鎖を装備し、黄色く光った目、

腰には剣を備えている。二足歩行であるが、その容姿は

人間離れしており、体の各所には人を殺す装備が多数備え付け

られていた。

正に五年前に突如として出現し、紅太郎と花香を襲った

アサシンエースそのものであった。


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」


「グギュグアゥァ!!」


花香は一歩後退した。

身体がトラウマを記憶している。


今の花香には意識もない、復讐に燃えた

怪物ではあるが、使っている身体は花香そのもの。


花香に向かって、フル装備の殺すことしか考えてない

怨念が襲い掛かってきた。











第37話へつづく

最後まで見ていただきありがとうございます。

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