第21話 あの日、あの時の“ことば”
新章突入です。
邪霊来襲編①
夢を見ていた…
五年前の…
沖縄での一件以来、ルキアの姿を見た
者はいない。そのような報告もない。
しかし、政府軍はその後も捜索を続けている。
誠太郎は佐渡島に戻り、紅太郎達はいつもの
学校生活に戻っていた。
修学旅行も終え、短く感じた夏休みも終わり、
季節は風が冷たくなる秋となっていた。
九月のある日。
「はぁ……」
紅太郎はその日は疲れ、深い眠りについていた。
その理由は夏休みの課題と文化祭の準備である。
夏休みからニ週間以上が経過していたが、
紅太郎は未だに課題を出せずにいた。
紅太郎の頭脳では、難しかったのである。
この事は、担任、花香、伊月にも怒られ、
二週間後の今日にようやく終えたのである。
もう一つの理由の文化祭。
紅太郎達が通う神宮高校では、
毎年恒例の神宮祭の準備が着々と
進められていた。
この高校は明治神宮に近い事もあり、
この文化祭は明治神宮と提携し、和風な
お祭りとなる。
しかしその分、コストと人が多く必要で、
普段話さないような人とコミュニケーション
をとるのは、陰キャの紅太郎にとって
至難であった。和風の素材は現代社会では
入手が困難だから、苦労もした。
それだけこだわった文化祭なのである。
紅太郎は何も考えずに布団に入ると
すぐに意識が遠くなった……
「………」
「ここは……」
紅太郎は道路の道端にいた。
見覚えがある風景だ。
「家の近所…?」
紅太郎の家の近く
「なんでここに…」
すると…
ドカーン!
「!?」
紅太郎は慌てて、音が鳴った方向を見る。
そこには、大きな炎が登っており、
その下には伊月がいた。
「伊月!!」
紅太郎は走って伊月まで近づく。
しかし、いくら走っても近づけない。
それどころか、どんどん遠くなっていく。
「くそ!くそ!なんでだょぉ!」
辿り着いた先は何も無かった。
伊月の姿もない。
「……」
すると今度は…
「……誠太郎兄さん?」
兄の誠太郎の後ろ姿が見えた。
「兄さん!」
だが、誠太郎は振り返らずに歩いていく。
紅太郎に気づかず歩いていく。
「は……」
誠太郎の姿まで見えなくなった。
紅太郎は胸が苦しくなった。
「何故……」
紅太郎は腕に思いっきり力を入れ、
地面を強く殴る。殴った手の皮が少し
剥けた。
「くぅ…………」
そして…………
後ろから誰かが紅太郎に抱きついてきた。
知っている香り。
知っている髪。
「大丈夫だよ」
知っている声。
「コータローは私が一人にしない」
お前は…
「だから一人にならないために私は
コータローを、コータローは私を
守って。」
ずっと居て…
「だって、あなたのたった一人の
幼馴染だから!」
紅太郎は振り返り、
「花………」
「…………………………!?」
意識が戻った。
窓から朝の日差しが照っている。
そう。今日は神宮祭の当日だ。
「夢か……」
布団の上で紅太郎は夢を回想する。
しかしあまり思い出せなかったので
学校へ行く準備をする事にした。
でも確かに覚えている事はあった。
振り返った先には
、、、、、、、
誰もいなかった
22話へつづく
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